日本航空(JAL/JL、9201)のボーイング777-200ER型機では2機目の退役機(登録記号JA705J)が9月14日夕方、羽田空港からビクタービル(米カリフォルニア州)へ向かった。JA705Jは7月に離日した777-200ER(JA704J)同様、鶴丸塗装のまま羽田を離陸した。JALの退役機は通常、機体のロゴなどを消した白一色の塗装“白塗り”で日本を離れる。新型コロナウイルスは、機体の売却にも影響が出ている。
JA705Jは、ビクタービル行きJL8132便として羽田の214番スポット(駐機場)を午後4時53分に出発。C滑走路(RWY34R)を午後5時5分に離陸してビクタービルへ向かった。同機には航空機で大気観測する「CONTRAIL」プロジェクトのデカールがデザインされており、デカールを貼ったまま離日した。
同機がJALに引き渡されたのは2003年7月15日。11機保有していた777-200ERのうち、2機目の退役機になった。退役時の座席数は3クラス236席で、ビジネス42席(1-2-1席配列)、プレミアムエコノミー40席(2-4-2席)、エコノミー154席(3-4-2席)だった。2016年6月に登場したビジネスクラス「スカイスイートIII」は、フルフラットシートを斜めに配置する「ヘリンボーン配列」をJALでは初採用し、全席から通路へアクセスできる。
エンジンはGE製GE90-94Bを採用。初便は2003年7月24日の成田発北京行きJL781便で、国内線には同月26日の成田発福岡行きJL155便から導入した。
JALの777は、合併した旧日本エアシステム(JAS)の機材を含めると、国内線機材の777-200が15機(JAL 8機+JAS 7機)と777-300が7機、国際線機材の777-200ERが11機、777-300ERが13機。これまでに777-200は6機、777-300は3機が退役している。777-200ERはJA705Jを含め2機で、JA704Jが初めての離脱機となった。8月26日夜には旧JASの777としては初の退役機となる777-200(JA8977)が、白塗りで米国の売却先へ向かった。
777の後継機として、JALはエアバスA350 XWBを選定。確定発注は標準型のA350-900が18機、長胴型のA350-1000が13機の計31機で、このほかにオプション(仮発注)で25機購入する契約を結んだ。A350-900はおもに国内線用777-200の、A350-1000は長距離国際線用777-300ERの後継となり、A350-1000は2023年度以降の就航を計画している。中距離国際線用の777-200ERは、同じビジネスクラス「スカイスイートIII」を搭載する787-9などで置き換え、運航コストや環境負荷の低減を図る。
*写真は9枚。
関連リンク
JAL SKY SUITE
日本航空
「CONTRAIL」のデカールをデザインしたJA705J
・JAL、特別塗装機で地球温暖化対策PR 777にSDGsロゴ(17年12月6日)
写真特集・JALスカイスイート777(777-200ER)
ビジネス編 個室感と隣席との会話両立
プレエコ・エコノミー編 恋人同士や家族連れも使いやすく
7月に777-200ER初の退役機
・JAL、初の777-200ER退役機が鶴丸ロゴのまま離日 JA704Jがビクタービルへ(20年7月1日)
旧JASの777-200初号機も米国へ
・旧JASの777初号機、”白塗り”で売却先へ レインボーセブン初の退役機(20年8月26日)
スカイスイート777(777-200ER)
・リゾート重視の新ビジネス 特集・JAL新仕様777-200ER
・JAL、新ビジネスクラス777就航 羽田-バンコク線に
・JAL、足もと立体交差の新ビジネスクラス 18日からバンコク線、ハワイも