羽田イノベーションシティ、9月18日本格稼働　22年に全面開業

　7月3日に先行開業した羽田空港第3ターミナル（旧称国際線ターミナル）近くの新複合施設「HANEDA INNOVATION CITY（羽田イノベーションシティ、HICity）」が9月18日から本格稼働し、22日までの5日間はイベントを開催する。今年オープンを計画していた施設が開業し、今後は2022年にグランドオープンするエリアの着工を目指す。

9月18日から本格稼働する羽田イノベーションシティ＝20年7月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　HICityは京浜急行と東京モノレール各線の天空橋駅に直結しており、鹿島建設（1812）など9社が出資する羽田みらい開発（大田区）が整備。「先端産業」と「文化産業」を中心とした地上11階・地下1階の複合施設で、敷地面積は約5.9ヘクタール、延床面積が約13万1000平方メートルとなる。

　先行開業日の7月3日から営業を始めた商業施設は、ブルワリー＆レストラン「羽田バル」と、コンビニエンスストア「デイリーヤマザキ」。オフィスや会議研修施設「コングレスクエア羽田」などもオープンしたが、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響で多くの施設は9月18日の開業となった。

　先端産業分野では、デンソー（6902）が自動運転技術を開発・実証する「先端モビリティセンター」と、大田区が提供する「区施策活用スペース」などがオープンする。HICity内には水素ステーションも備え、先端モビリティや健康医療、ロボティクスなどを研究する開発拠点もある。

　文化産業分野は、ライブホール「Zepp Haneda」と、日本食や伝統工芸などの文化が体験できる「文化体験商業施設」、日本空港ビルデング（9706）が提供する、最新のテクノロジーで日本文化を体験できる「体験型商業施設」、遊具を配置した芝生広場「ARTIST VILLAGE」、足湯を楽しめる「足湯スカイデッキ」がオープン。7月にオープンした足湯スカイデッキは、国際線エリアや、4本ある滑走路のうちA滑走路とB滑走路を離着陸する航空機を眺めながら過ごせる。

　また、羽田空港第1ターミナル5階の「THE HANEDA HOUSE」内に本店を構えるフライトシミュレーター体験施設「LUXURY FLIGHT（ラグジュアリーフライト）」が、日本初となる戦闘機のフライトシミュレーター体験型施設を9月1日にオープンしている。

　2022年のグランドオープンでは、東邦大学が医療研究施設を開設する「先端医療研究センター」と、日本の芸術文化を発信する「アート＆テクノロジーセンター」が開業するほか、ロボティクスの開発拠点も全面開業する。

　開発を進める羽田みらい開発には鹿島建設のほか、大和ハウス工業（1925）と京浜急行電鉄（9006）、日本空港ビルデング、空港施設（8864）、JR東日本（東日本旅客鉄道、9020）、東京モノレール（港区）、野村不動産パートナーズ（新宿区）、富士フイルム（4901）の計9社が出資。HICityの設計と施工は、鹿島建設と大和ハウスが担う。

　HICityは羽田空港に2つある跡地のうち、第1ゾーンに設置。もう1つの第2ゾーンは、第3ターミナルに直結する複合施設「羽田エアポートガーデン」で、住友不動産（8830）と子会社の羽田エアポート都市開発が開発を進め、当初は4月21日としていた開業日は、新型コロナの影響で未定となっている。

関連リンク
HANEDA INNOVATION CITY

羽田イノベーションシティ
・羽田イノベーションシティが先行開業　飛行機眺めて足湯も（20年7月4日）
・羽田イノベーションシティ、7月先行開業　22年グランドオープン（20年2月7日）
・羽田再開発地域「イノベーションシティ」に　20年夏、国際線ターミナル隣接（19年8月21日）

羽田エアポートガーデン
・羽田エアポートガーデン、開業さらに延期　オープン日未定（20年8月6日）
・羽田エアポートガーデン、開業夏に延期　3タミ直結、緊急事態宣言で（20年4月8日）
・羽田再開発、複合施設4月オープン　羽田エアポートガーデン、ホテル1717室（20年3月28日）

LUXURY FLIGHT
・羽田空港、フライトシミュレーター体験施設開業　1タミ5階にLUXURY FLIGHT、滑走路一望（20年4月1日）