デルタ航空(DAL/DL)は9月9日、導入が進むエアバスA350-900型機とA330-900(A330neo)の使用前整備を成田空港内にある同社の整備部門「デルタ・テックオプス(Delta TechOps)」で実施すると発表した。受領した新造機に対し、Wi-Fiシステムの設置をはじめとする商業運航開始前の整備作業を年末にかけて行う。
成田で使用前整備を実施するのは、A350-900が2機とA330-900が3機の計5機。9月中旬と12月初旬にエアバスの最終組立工場がある仏トゥールーズから成田へ到着し、テックオプスで作業する。5機の旅客機は年内に退役するボーイング777型機の後継機として、ロサンゼルス-シドニー線など太平洋横断路線に投入を予定している。
デルタ航空はA350-900を35機発注済みで、13機を運航中。今月2機を引き渡された後は、残り20機を2022年から2026年にかけて順次受領していく。
2019年7月に就航したA330-900は37機発注済みで、運航中の機体は5機。年内に3機受領後、残り29機は2021年から2025年にかけて引き渡される見通し。
北米で最初にA350を導入したデルタ航空は、個室タイプのビジネスクラス「デルタ・ワン スイート」を初めて搭載。日本路線には2017年10月31日に成田へ到着したデトロイト線を皮切りに導入しており、米国とアジアを結ぶ太平洋路線を中心に投入している。ジャンボの愛称で親しまれ退役した747と比べて、1座席あたりの運航コストを20%改善したという。
成田のテックオプスは広さ1万3000平方メートルの格納庫施設で、2014年12月にオープン。デルタ航空が米国以外で初めて専用ハンガーを契約したもので、国土交通省航空局(JCAB)の認定事業場として認可を取得しており、自社機の整備のほか、他社にもMRO(整備・修理・分解点検)サービスを提供している。
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