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ピーチ・アビエーション（APJ/MM）は7月22日、国内線全便の運航を再開した。新型コロナウイルス感染拡大前に策定した計画通りの1日あたり22路線約100便を運航する。また、国際線の再開時期について、森健明CEO（最高経営責任者）が10月以降の再開を目指す考えを示した。
22日に運航を再開した成田発鹿児島行きMM557便＝20年7月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
今後の路線計画について説明するピーチの森CEO＝20年7月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ピーチは新型コロナの影響で3月から一部路線で減便や運休を実施。6月19日に国内線全22路線の運航を再開した。この時点では減便が生じる路線があったが、22日からはすべての便を運航するようになった。
23日からの4連休は平均で60％前後の搭乗率になる見通しで、森CEOは「通常は90％台なので大幅に少ないが、（もっとも落ち込んだ）搭乗率20％台からは回復傾向にある」と述べた。
また、新型コロナの感染防止策を拡充し、メールや自動チェックイン機、搭乗券などでマスク着用などを乗客に呼びかける。
国内線全便の運航を再開したピーチの成田空港カウンター＝20年7月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
22日に最初の運航再開となったのは成田発関西行きMM312便で、続いて再開した成田発鹿児島行きMM557便（A320、登録番号JA810P）を森CEOや客室乗務員らが見送った。MM557便の乗客は63人で、搭乗率は35％だった。
繁忙期の8月1日から31日にかけては、国内線を増便。当初計画の3270便を上回る3967便を期間中に運航する。増便対象は12路線572便で、1日からは新路線となる成田－釧路、宮崎の2路線を開設する。政府が22日から始めた「GoToトラベルキャンペーン」については、「（全便再開は）6月に決めたが、当時は（GoToの開始時期は）8月と聞いていた。ツアーより航空券単体で購入する人が多いので、GoToの割引を受けるわけではない」と説明した。
一方、国際線の再開は10月以降としつつも、各国の入国制限や検疫により変わってくるため、ピーチ単独での対応には限界がある。「ピーチの主なお客様はインバウンドの旅行者」として、1年単位で対応を考える必要性があるとした。また、PCR検査体制などの課題もあるため、再開しても「かつてのような規模感での運航は厳しい。1日1往復程度になるだろう」と、最小限になる見通し。
「国際線再開後の就航地は段階的に増やすが、運航規模は当初計画から大幅に減らす」として、国際線に投入予定だった人員や機材は、大幅に前倒しするという国内線拡充に充てる。本拠地である関西空港から乗り入れている国内線の就航地を中心に、路線拡充を目指す方針で、関空と成田の路線規模は「ほぼ同じくらいになる可能性が高い」という。
こうした動きを視野に、冬ダイヤ初日の10月25日からは成田の使用ターミナルを現在のLCC専用第3ターミナル（T3）から、2019年10月まで乗り入れていた第1ターミナル（T1）に変更する。T1は京成電鉄（9009）やJR東日本（9020）の駅と地下で直結していることから、利便性の高さで他社と差別化する（関連記事）。
ピーチの機材は、エアバスA320型機（1クラス180席）が32機。9月には後継機のA320neoを初受領できる見通し。
＊写真は10枚。
成田空港の搭乗口で乗客に感染防止対策を呼びかけるピーチの森CEOら＝20年7月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
搭乗口に設置された感染防止対策を呼びかけるピーチの看板＝20年7月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
成田空港で出発を待つ鹿児島行きMM557便＝20年7月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
成田空港を出発する鹿児島行きMM557便を見送る森CEOら＝20年7月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
成田空港を出発する鹿児島行きMM557便＝20年7月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
森CEOらに見送られて成田空港を出発する鹿児島行きMM557便＝20年7月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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