NEC(日本電気、6701)は、米ハワイ州の主要5空港で生体認証・映像分析技術とサーマルカメラを組み合わせた感染症対策ソリューションを納入する。ハワイ州交通局から受注したもので、受注金額は導入費や10年間の保守費などを合わせて約3750万ドル(約40億1200万円)。空港利用者の検温用で、7月末までに各空港へサーマルカメラを設置し、体温が38度以上の人を検知した際に管理者へ通知する。
導入するのは、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(オアフ島)、エリソン・オニヅカ・コナ国際空港(ハワイ島)、ヒロ国際空港(ハワイ島)、カフルイ空港(マウイ島)、リフエ空港(カウアイ島)の5空港。米国本土や日本など海外からの渡航者が主に利用する空港で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で地元経済が打撃を受ける中、感染症への水際対策として導入し、感染拡大を抑えながら経済復興につなげる。
7月末までにサーマルカメラを設置後、12月末までには空港内に設置したカメラと顔認証技術や映像分析技術を活用して、対象人物を特定するソリューションを導入する予定。顔認証技術は、同社によると世界一の認証精度だという。現地法人NEC Corporation of Americaと米国のサーマルカメラメーカーInfrared Camerasとともに導入する。
ハワイ州のプライバシー保護要件に準拠。設定した体温以上を検知した人物の画像のみ保存し、空港の係員が対象者に健康上の注意や検査が必要か否かを判断する目的に限り、使用するという。画像は30分以内に消去され、外部の機関に共有されることはないとしている。また、氏名や住所、運転免許証番号などの個人情報は取得・使用せず、個人を特定しないで対象者を絞り込む仕組みになっているという。
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