超音速旅客機を開発中の米Boom Technology(ブーム・テクノロジー、本社デンバー)は、超音速飛行の技術実証機「XB-1」を10月7日にロールアウト(完成披露)する。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響により、イベントはオンライン開催を予定。今年後半から試験を開始し、2021年の初飛行を目指す。
XB-1は2人乗りで、主翼の形状はデルタ翼を採用し、エンジンは既存のGE製J85-15が3基。アフターバーナーを使ってマッハ2.2の実現を目指す。Boomによると。すでに複数回の風洞実験や数十回の構造実験、数百回のシミュレーションを実施しているという。
BoomはXB-1で超音速飛行の技術を検証し、同社初の超音速旅客機「Overture(オーバーチュア)」の開発につなげる。アマゾンやグルーポンで要職を務めたブレイク・ショール創業者兼CEO(最高経営責任者)が2014年9月に設立した独立系の機体メーカーで、日本航空(JAL/JL、9201)は2017年12月に同社と提携して1000万ドルを出資し、将来の優先発注権を20機分確保している。
Overtureは設計段階で、Aviation Wireが2019年5月にショールCEOを取材した時点で、2020年代半ばの実用化を目標に掲げている。
*ショールCEOへの単独インタビューやオフィスの様子はこちら。
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Boom Technology
日本航空
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