航空宇宙防衛大手の英BAEシステムズは現地時間7月13日、英国が2035年ごろの実用化を目指す次世代戦闘機プロジェクト「テンペスト」を生産する工場を新設したと発表した。「未来の工場」と位置付け、数百万ポンド(数億円)を投資。現実の設備データを仮想空間で同時に処理する「デジタル・ツイン」の概念や、人との協調制御ロボットといった最新鋭の技術を採用し、品質向上とコスト削減の両立を目指す。
新工場は英ランカシャー州ウォートンにある工場敷地内に設けた。中小を含む40以上の企業や研究機関と連携し、「デジタル・ツイン」やロボット、積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング)、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)などの技術を導入する。導入にあたり、シーメンス、ザ・ウェルディング・インスティテュート(TWI)、レニショーといった産業システム大手と連携している。
これらの技術により、人はより高度なスキルや戦略的業務に集中でき、生産性の大幅な向上が期待できるとしている。BAEシステムズによると、新工場は過去のプログラムの半分の時間で、プログラムの実証が可能という。
テンペストは2018年7月の英ファンボロー航空ショーで発表された英国の次世代戦闘機プロジェクト。英国政府は2025年までに開発を最終決定し、2035年ごろの実用化を目指す。BAEが開発を取りまとめ、エンジンはロールス・ロイス、センサーや電子機器はレオナルド、武器システムはMBDAが担当するほか、イタリアの複数の企業も参画する見通し。
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Team Tempest(Royal Air Force)
BAE Systems
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