ポルトガルのハイフライ(HFY/5K)は、エアバスA380型機(登録記号9H-MIP)のエコノミークラスの座席を一部撤去し、一時的に貨物機として運航できるようにした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による貨物需要に対応するもので、300立方メートル以上の容積と、60トン近い貨物が運べるようになったという。
ハイフライのA380は、かつてシンガポール航空(SIA/SQ)が運航していた機体(9V-SKC)で、座席数は3クラス471席(ファースト12席、ビジネス60席、エコノミー399席)。メインデッキ(1階席)にファーストとエコノミー、アッパーデッキ(2階席)はビジネスとエコノミーを設定しており、エンジンはロールスロイス製トレント900を搭載する。
今回の貨物機への一時転用では、メインデッキとアッパーデッキ双方のエコノミークラスの一部座席を撤去。メインデッキの床にM01からM20までの20区画、アッパーデッキにU19からU25まで7区画の貨物搭載エリアを設け、各階のオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)と床下の貨物室にも貨物を搭載できる。大きさが400×400×300mmの箱の場合、最大2540個積めるという。
A380の客室を貨物室に一時転用する改修は、独ルフトハンザ・グループのルフトハンザ・テクニークが今年5月に初受注したと発表。契約先は非公表だったがハイフライが顧客だったとみられる。
ハイフライは2005年設立の航空会社で、機体のほか乗務員などもセットにした「ウェットリース」を展開。現在はA319を2機、A321を2機、A330-200を4機、A330-300を4機、A330-900(A330neo)を2機、A340を6機、A380を1機の計21機を運航している。
関連リンク
HiFly
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