ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の片岡優社長は7月3日、一部路線で運休中の国内線の全便復便について、年内は厳しいとの見通しを示した。また、8月1日から競合のピーチ・アビエーション(APJ/MM)が参入する成田-宮崎線には、ピーチとの相乗効果を期待する姿勢を見せた。
—記事の概要—
・片岡社長「年内100%厳しい」
・競合参入の宮崎線「効果出ればいい」
片岡社長「年内100%厳しい」
現在は中国から拡散した新型コロナウイルスの影響により、ジェットスターの国内・国際線は、いずれも運休・減便が続いている。このうち国内線は一部路線で減便を継続するものの、7月23日から全23路線の運航を再開。国際線は現在のところ成田-香港線は8月31日まで運休し、ほかの5路線は7月31日までの運休を予定する。
片岡社長は国内線の全便復便について、「年内に100%の状況に戻るのは厳しい」と述べ、2021年以降に復便する見通しを示した。これに伴い、5月11日から運休している関西-高知線は、国内線の需要が回復し次第復便を検討するとした。同路線は復便のめどは立っておらず、航空券の販売も停止している。
国内線は3月から減便を開始。当初は「何とか持ちこたえた」(片岡社長)状態だったが、4月7日の緊急事態宣言発令後から、影響が徐々に出始めた。発令により都道府県をまたぐ移動自粛となったことで5月と6月の需要が最も落ち込んだものの、5月25日の緊急事態宣言の解除以降、予約は増えてきているという。
国内全路線で運航を再開する7月下旬は、計画の7割を復便。8月は7日から17日の繁忙期には全便を運航し、8月全体では8割近くの便を運航できるとの見通しを示した。
競合参入の宮崎線「効果出ればいい」
成田-宮崎線は、2017年12月21日にジェットスターが開設。同路線の定期便就航は初で、現在は単独路線となる。夏ダイヤでは1日2往復を計画している。一方のピーチは8月1日から1日1往復で運航を開始し、同路線に参入する。
ピーチの参入について、ジェットスターの片岡社長は「時間帯も違い、競争原理が働く。効果が出ればいい」と述べ、ともに発展させたいとした。
ジェットスターの成田-宮崎線は現在運休しているが、7月10日から週3往復で復便し、22日からは1日1往復に増便する。ジェットスターは成田発を午後3時15分、宮崎発を午後6時に設定。ピーチは成田発を午前9時30分、宮崎発を午後0時20分としている。
また7月2日に都内で新型コロナウイルス感染(Covid-19)の新規感染者数が107人となるなど、感染者が増加傾向にある現状について、片岡社長は「東京の人がほかの地域へ行くのを遠慮するし、ほかの地域から東京へ来るのも嫌がる」と、往来の減少を懸念。「東京=悪い、という認識につながる」とし、早期の対策を求めた。
関連リンク
ジェットスター・ジャパン
国内線7月23日に全路線再開へ
・ジェットスター・ジャパン、国内全路線7月23日再開 国際線は運休続く(20年6月16日)
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・ピーチ、成田-釧路・宮崎8月就航へ 奄美は増便、国内線強化(20年6月23日)
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