日本航空(JAL/JL、9201)は7月1日、4月から閉鎖していた羽田空港第1ターミナル北ウイングの運用を再開した。およそ2カ月半ぶりの再開となった。
JALは通常、北ウイングを北海道と東北、北陸、東海、近畿方面への出発、南を中国と四国、九州、沖縄方面への出発に分けている。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響により、4月17日以降は需要が大幅に減少したことから、出発エリアを南ウイングに集約。カウンターと保安検査場、ラウンジを閉鎖していた。
再開に合わせ、南ウイングに導入している新型自動チェックイン機と自動手荷物預け機を、北ウイングでも利用できるようにした。JALのマイルプログラム「JALマイレージバンク(JMB)」会員向け「サクララウンジ」と上級会員向け「ダイヤモンド・プレミアラウンジ(DPラウンジ)」は6月19日から再開済みで、1日はファーストクラスカウンター、JALグローバルクラブ(JGC)カウンター、ダイヤモンド・プレミアラウンジ専用セキュリティレーン、JALグローバルクラブエントランス検査場も運用を再開した。
JALの国内線は、6月15日から30日までは計画の54%の便を運休・減便していたが、6月28日から7月4日までは49%、5日から12日は46%、13日から16日は47%と、段階的に対象便数を減らし、7月後半の減便率は3割台まで改善する。
路線統括本部レベニューマネジメント担当の本田俊介執行役員は、「これまではどうしても移動しなければならない方が中心だったが、7月からモードが切り替わった。観光のパッケージ商品が6月後半から伸びてきており、先得など旅行で利用される割引運賃が伸びている」と、観光需要の伸びがみられるという。
一方、法人のビジネス需要については「出張禁止の企業もあり、なかなか元には戻らない。一方で、(旅行の中で時間の一部を仕事に充てる)ワーケーションや、地方から職場に週1で通うといった新しい需要もある」と、これまでとは違った需要開拓に意欲を示した。
第2ターミナルを利用している全日本空輸(ANA/NH)も、4月17日から南側の国内線エリアを閉鎖していたが、1日から再開。ANAの7月の減便率は51%で、69%だった6月と比べて18ポイント改善している。
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日本航空
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