エアバスは現地時間6月30日、1万5000人の従業員を2021年夏までに削減すると発表した。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響によるもので、今秋からの着手に向け協議を進める。
対象となる1万5000人を地域別でみると、ドイツの5100人が最多で、フランスの5000人、スペインの900人が続く。このほか世界各地で1300人の削減を見込む。
エアバスは民間航空機産業について「未曾有の危機により、ここ数カ月で活動が40%近く減少している」と指摘。旅客数などの輸送量が、新型コロナ前の水準に回復するのは2023年になると予測し、2025年に遅れる可能性もあるとした。これを受け、生産レートも調整する。
新型コロナの影響により、エアバス機の引き渡しが減少している。今年1月は31機、2月は55機だったが、3月は36機、4月は14機、5月は24機など、4月以降は前年の3割程度に落ち込んでいる。これを受け、2020年1-3月期(第1四半期)の純損益が4億8100万ユーロ(約581億2400万円)の赤字となるなど、影響が出始めている。
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