全日本空輸(ANA/NH)は7月1日、羽田空港第2ターミナル南側の国内線エリアの運用を再開した。ANAの国内線は、中国から拡散した新型コロナウイルスのよる減便が大量発生したものの、7月からは復便傾向もみられる。南側の出発階は4月17日から閉鎖しており、2カ月半ぶりの再開となる。
ANAの国内線保安検査場入り口はAからDまでの4カ所で、AとBを北側の「北ピア」、CとDを南側の「南ピア」に配置。4月17日以降は需要が大幅に減少したことから、出発エリアを北側に集約し、カウンターと保安検査場などを閉鎖していた。
7月1日に再開したのは保安検査場Cのほか、C付近のチェックインカウンター、マイレージ会員専用の保安検査場を備えた室内型カウンター「ANAプレミアムチェックイン(ANA PREMIUM CHECK-IN)」、自動手荷物預け機「ANAバゲージドロップ(ABD=ANA Baggage Drop)」の各施設。保安検査場Dは引き続き閉鎖する。
保安検査場Cは午前4時50分ごろにシャッターが開き、旅客の受け入れ準備を始めた。その後、チェックインカウンターでも準備が進み、午前5時15分に再オープン。地上係員は早朝で利用客がまばらなロビーに一礼し、旅客の受付を再開した。チェックイン客の中にはサーフボードのようなものを抱えた人もおり、人々の移動が回復傾向にあることをうかがわせた。
保安検査場C付近を出発する再開初便は、64番駐機場を定刻午前6時25分に出発する伊丹行きNH985便。同便は前日の6月30日まで運休しており、南側再開と合わせての復便となった。
羽田空港の旅客サービスを担うANAエアポートサービス旅客サービス部の久沢弘太郎部長は、繁忙期を控え旅客が復調傾向にある現状を踏まえ、「(4月7日から5月25日までの)緊急事態宣言中も見てきたので、再開は感慨深い」と述べた。
ANAの7月の国内線は、計画していた国内線122路線2万4134便のうち51%にあたる109路線1万2227便が運休・減便となるなど、新型コロナの影響は続く。6月1日から30日までは119路線2万2970便のうち113路線1万5963便が運休となり、減便率は69%だった。6月と比較すると7月の減便率は18ポイント改善し、7月は復便の傾向もみられる。
国際線は第2ターミナル南側には3月29日に開業した国際線施設と、従来の第3ターミナル(旧称国際線ターミナル)を使用。このうち第2ターミナルの国際線施設は4月11日から閉鎖し、第3ターミナル集約している。ANAエアポートサービスの久沢部長によると、現在のところ再開のめどは立っていないという。
羽田空港では、日本航空(JAL/JL、9201)が使用している第1ターミナル北ウイングも7月1日に再開。北ウイングは第2ターミナル南側同様4月17日から閉鎖し、出発エリアを南ウイングに集約して運用していた。
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