日本政府とEU(欧州連合)は現地時間6月22日に、EUの本部のあるベルギー・ブリュッセルで、民間航空の安全に関する協定(Bilateral Aviation Safety Agreement、BASA)に署名した。協定締結により、三菱航空機が開発を進めるリージョナルジェット機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」など、日本製の航空製品の輸出促進が期待できる。国土交通省航空局(JCAB)と外務省が23日に発表した。
BASAは、相手国が実施する航空安全での検査・認証を相互に受け入れることにより、当局による重複検査を避け、手続きを円滑化するための二国間協定。締結により航空機産業の貿易促進や、双方の整備施設を活用し、整備コストの軽減につなげる。BASAの締結は、双方の制度が同等であることが前提となる。
日EU間のBASA締結により、機体の輸出入時の重複検査が不要となり、民間航空製品の流通を促進する。また将来的には、整備分野の相互受け入れも視野に入れる。
協定の発効は国会の承認など、日本とEUそれぞれの内部手続きが必要となるが、手続き完了までは署名を完了した6月22日以降、暫定的に適用となる。
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