エアバス, エアライン, 機体, 空港 — 2020年6月22日 18:10 JST

ANAのA380、3カ月ぶり飛行　26分で成田1周、運航再開は未定

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　全日本空輸（ANA/NH）は6月22日、新型コロナウイルスの影響で3月から運航を停止している総2階建ての超大型機エアバスA380型機「FLYING HONU（フライング・ホヌ）」を、およそ3カ月ぶりに飛行させた。運航再開の見通しは立っていないが、航空機は安全性を維持するため一定期間ごとに飛行する必要があり、22日は乗客を乗せずに成田空港を1周して戻った。

＊8月22日に成田遊覧チャーター。記事はこちら。

成田空港を離陸するANAのA380 2号機＝20年6月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　ANAを傘下に持つANAホールディングス（ANAHD、9202）は3機のA380を発注しており、2機を受領済み。成田－ホノルル線専用機材で、2019年5月24日に就航した。全機にハワイの空と海、夕陽をイメージした特別塗装を施しており、初号機（登録記号JA381A）が青（ANAブルー）、2号機（JA382A）が深緑（エメラルドグリーン）、3号機（JA383A）がオレンジ（サンセットオレンジ）と1機ごとに色が異なる。機首の表情も、正面を見る初号機、ほほ笑む2号機、まつげを描いた3号機と違いがある。

　新型コロナの影響で、ANAは3月25日にホノルルから成田へ到着した便を最後にA380の運航を一時停止。初号機はNH181便、2号機はNH183便が運休前最後の運航便だった。ANAによると、航空機は飛行しない期間が90日を超えた場合、機体をジャッキアップして主脚などを整備する必要があり、2号機は最後の運航の翌日から数えて89日目にあたる22日に飛行した。2号機を先に飛ばしたのは整備作業の関係で、初号機も近く同様に飛行する見通し。

　22日の2号機のフライトは便名がNH9058便で、成田の191番スポット（駐機場）を午後1時24分に出発。A滑走路（RWY34L）を午後1時40分に離陸し、茨城県霞ヶ浦の手前で右に旋回して、同県神栖市から千葉県旭市へ向けて南下して太平洋に出て右旋回し、千葉県山武市から成田空港へ進入して離陸から26分後の午後2時6分にA滑走路へ着陸した。その後、午後2時14分に出発時と同じ191番スポットへ到着し、しばらく駐機するためのタイヤの手入れなどが行われた。

　ANAHDは新型コロナの影響を受け、4月に予定していた3号機の受領を半年程度遅らせている。座席数はいずれも4クラス520席で、ファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席、エコノミーが383席。2号機は2019年6月19日に就航し、同年7月1日からは週10往復体制で運航していた。

　計画ではA380が3機体制になった際に、週14往復の成田－ホノルル線をすべてA380で運航する予定だったが、現時点で運航再開や週14往復化の時期は未定。7月は国際線75路線5461便のうち、90％にあたる73路線4938便が運休・減便対象になる。

＊写真は23枚。
＊翌日の初号機フライトはこちら。