1月16日に高松空港へ緊急着陸した全日本空輸(ANA)のボーイング787型機(JA804A)が5月16日夜、120日ぶりに羽田空港へ降り立った。
同機は高松を午後8時56分に出発、羽田には午後10時6分に到着した。機内では、ANAの技術者がバッテリーの動作状況を確認した。
バッテリートラブルが発生した1月16日は、同機は山口宇部発羽田行き692便として午前8時に出発。午前8時27分ごろ、香川県上空でメインバッテリーの不具合を示す警告が操縦室内に表示されるとともに異臭が発生したため、目的地を高松に変更して午前8時47分に緊急着陸した。
緊急着陸後は非常脱出が行われ、乗客129人と乗員8人の137人は全員無事だったが、脱出時にすり傷を負った人や腰に違和感を感じた人が数人いた。
機体は調査のため運輸安全委員会(JTSB)が管理していたが、4月26日にANAへ返還された。バッテリーの改修作業は、5月9日朝から12日昼過ぎまで行われ、改良型バッテリーシステムが搭載された。
JTSBの調査では、煙が出た前方電気室のメインバッテリー以外の周辺機器や配線に大きな電流が流れた形跡はみられなかった。一方、バッテリー外箱の内部と外箱のアース線付近には大きな電流が流れた可能性が考えられるとし、バッテリー内部や充電器との接続に何らかの不具合や問題があった可能性を指摘している。
16日はこのバッテリートラブルで引き渡しが中断していた、787の引き渡し再開後最初となるANAの機体(登録番号JA818A)が羽田に到着した。ANAでは、6月1日から787による国際線と国内線の定期便運航を再開する見通し。
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