成田空港に隣接する航空科学博物館は5月26日、およそ2カ月ぶりに営業を再開した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により4月から休館していたが、千葉県内の感染状況などを踏まえて再開を決めた。
再開後も、来館者の密集などが避けられない展示物や体験装置は休止を継続。ライブラリー(図書室)と体験館は当面閉鎖、館内レストランもしばらくは営業中止となるなど、営業規模の縮小を続ける。また、来館者にはマスクの着用と検温などに協力してもらう。受付には飛まつ防止のビニールシートを設け、係員はフェイスシールドを着用するなど、感染拡大防止に努める。受付前には来場者同士の距離を保つ目安として、2メートルごとに目印を設置する。
開館時間は午前10時から午後5時までで、入館は午後4時30分まで。再開初日となった26日は、親子連れや航空ファンなどが開館時間の午前10時すぎに来場した。同館の長谷川邦男館長は「やっと再開できた」と述べ、安堵の表情を見せた。
政府は25日に、千葉県を含む首都圏の1都3県と北海道に出していた緊急事態宣言を解除したものの、都道府県をまたいだ移動の自粛を求めている。同館の来場者は千葉県外からが多いことから、長谷川館長は「早く日常に戻ってもらいたい」と、県外からの来場者回復を希望した。
成田空港に隣接する航空科学博物館は、日本初の航空専門博物館として1989年8月1日にオープン。2019年に30周年を迎え、リニューアルした。ところが、新型コロナウイルスの影響で3月2日から23日まで臨時休館となり、翌24日から再開したものの、4月2日から千葉県による週末外出自粛要請、7日に同県を含む7都道府県に緊急事態宣言が出されたことから、9日から再び臨時休館に入った。
入館料などの売上がほぼゼロになったことから、クラウドファンディングによる資金調達を実施。同館の運営や展示物・建物の修繕費用として活用していくもので、目標額の1000万円を開始から4日目で達成した。一方で、これまでと同じように博物館を運営できるかなど不透明な要素が多いため、目標額をクリアして当面の存続危機は脱したが、当初予定の7月31日まで出資を募る。
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