エアライン, 空港 — 2020年5月19日 17:58 JST

JAL、羽田空港で献血協力 テレワークで都内の企業献血減

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 羽田空港内にある日本航空(JAL/JL、9201)のオフィスで、社員を対象にした献血が5月19日と20日の2日間行われている。新型コロナウイルスの影響で、日本赤十字社が都心の企業などで行っている「団体献血」が通常と比べて約3割減少していることから、協力をJALが申し出た。

献血車の中で採血されるJAL地上係員の森さん(左)=20年5月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALでは、格納庫がある羽田の新整備場地区などで以前から献血に協力しているが、第1ターミナルに隣接するオフィス「オペレーションセンター」での実施は初めて。新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛や企業でテレワークが広まったことから、日赤の血液センターを訪れる人や、オフィスで献血に応じられる企業が減少した。日赤によると、2月から4月にかけては血液のストックが大きく減少する時期がみられたという。

 こうした中、JALでは4月に福岡空港の社員たちが団体献血を申し出たことから、羽田や成田でも献血に協力することになった。羽田で働くJALの担当者が日赤と4月下旬から調整を進め、5月に羽田、6月に成田で開くことが決まった。日赤の献血車の車内では、一度に4人から採血でき、羽田の会場では1日最大50人程度の献血に対応できる。

 献血する際は、質問事項に回答したり医師の問診後、採血基準を満たしているかの測定や血液型の事前検査を実施して採血する。採血は10分から15分程度で、献血後の休憩を含めて全体で30分から40分ほどで終わる。日赤によると、献血は薬を服用している人でも可能な場合があるという。

 羽田で19日に献血した地上係員の森絵利子さんは、今回が初めての献血。緊張した面持ちで臨んだが、「想像していたよりも身体への負担がなかったです」と笑顔を見せた。

 日赤によると、5月は約250会場で企業からの献血を予定していたが、約3割が延期や中止になった。テレワークに切り替わりオフィスへ出社している人が少なくなり、献血参加者が集まりにくいのが理由だという。

 一方で、血液は人工的に作ることができず、赤血球が21日間、血小板は4日間と長期保存できない。また、ひとりの人が1年間に献血できる回数は限られており、400ml献血は男性が年間3回以内、女性は同2回以内。男性は次の400ml献血まで12週間、女性は16週間空ける必要がある。医療機関が求める血液製剤の95%は、輸血を受ける患者の副作用リスクが低い400ml献血由来のものだという。

*写真は6枚。

JALの羽田オペレーションセンター内に設けられた献血受付=20年5月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港で医師による献血前の問診を受けるJAL地上係員の森さん(手前)=20年5月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JAL羽田オペレーションセンターの駐車場に設けられた献血会場=20年5月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

献血車の中で採血基準測定を受けるJAL地上係員の森さん(右)=20年5月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALの羽田オペレーションセンターに並ぶ日赤の献血車=20年5月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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日本航空
日本赤十字社

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