GE傘下のGEアビエーションは現地時間5月4日、全世界の従業員をこれまでの発表分も含めて25%削減する計画を明らかにした。中国から感染が拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で航空需要が世界的に激減しているためで、年内に10億ドルのコスト削減と20億ドルのキャッシュアクションを計画しており、人員削減はこの一環となる。
同社のデビッド・ジョイス社長兼CEO(最高経営責任者)は4日、従業員向けのメッセージで、「2月初旬に中国でパンデミック(世界的大流行)の影響が出始めた時と比較すると、4-6月期(第2四半期)の世界の輸送量は約80%減少すると予想される。航空機メーカーは需要回復の長期化が予想されるとして、2021年の生産計画を縮小すると発表しており、必要な対応だ」と、人員削減案に対する理解を求めた。
ボーイングは、会社全体で約10%の人員削減に着手。民間機部門は15%以上の削減が必要となる一方、防衛や宇宙、関連サービス事業については、大幅な人員削を避ける見込み。
GEアビエーション製「GEnx-1B」をエンジンの選択肢としてラインナップしている787は、月産14機を年内に10機へ引き下げ、2022年には7機に半減させる。GE90を選定できる777と、開発中の後継機でGE9Xを採用している777Xは、2021年は合せて月産3機に減産する。
また、GEアビエーションとサフランによる合弁会社CFMインターナショナル製新型エンジン「LEAP-1B」を採用する737 MAXも、今年は低水準で再開して2021年には月産31機まで段階的に増産する計画。民間機用エンジンの生産規模が回復するまでには数年かかる見通しで、ジョイス社長は「時間の経過とともに回復していくと確信している」とメッセージで言及した。
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GE Aviation
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