ボーイングは、250億ドル(約2兆6700億円)の社債を発行したと現地時間4月30日に発表した。7本立てで、償還期間は3年から40年。
ボーイングによると、起債に対する反応が好調だったことから、資本市場や米国政府からの追加資金調達は検討していないという。中国から拡散した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、航空会社の受領延期や工場の一時操業停止などの影響が出ている。
5月3日には、米サウスカロライナ州ノースチャールストンにある787型機の製造工場「BSC(ボーイング・サウスカロライナ)」の操業を再開予定で、民間機の最終組立工場はすべて稼働するようになる。
4月29日に発表した2020年1-3月期(第1四半期)決算は、純損益が6億4100万ドル(約684億円)の赤字(前年同期は21億4900万ドルの黒字)となり、最終赤字は2019年10-12月期から2四半期連続。売上高は26%減の169億800万ドル、営業損益は13億5300万ドルの赤字(同23億5000万ドルの黒字)、年金や退職金給付の経費を除外した中核営業損益は17億ドルの赤字(同19億8600万円の黒字)と、大幅な減収減益だった。
これに伴い、会社全体で約10%の人員削減に着手。民間機部門は15%以上の削減が必要となる一方、防衛や宇宙、関連サービス事業については、大幅な人員削を避ける見込み。
また、2件の墜落事故が起きた737 MAXの納入再開について、ボーイングのデビッド・カルフーン社長兼CEO(最高経営責任者)は、「第3四半期(7-9月期)中に737 MAXの引き渡しを再開するために必要な規制当局の承認が間に合うと予想している」と説明。カルフーン社長によると、現時点で約450機の737 MAXが同社に保管されているという。
737 MAXの生産レートは、今年は低水準で再開して2021年には月産31機まで段階的に増産する計画。787は月産14機を年内に10機へ引き下げ、2022年には7機に半減させる。777と777Xは、2021年に合せて月産3機に引き下げる。
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