ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)などを傘下に持つ英IAG(インターナショナル・エアラインズ・グループ)は現地時間4月28日、BAの従業員のうち3割弱にあたる最大1万2000人を解雇する可能性があると発表した。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響によるもの。IAGでは、2019年の旅客需要に戻るまでには数年かかるとしており、グループ全体でリストラ対策が必要だとしている。
BAは4月に入り、英国政府の新型コロナウイルス感染症雇用維持制度(JRS: COVID-19 Job Retention Scheme)を活用し、2万2626人を一時帰休させている。IAGが28日に発表した1-3月期(第1四半期)決算によると、売上高は13%減の46億ユーロ(約5326億円)、一時項目を除く営業損益は5億3500万ユーロの赤字(前年同期は1億3500万ユーロの黒字)となり、4-6月期(第2四半期)の営業損失は、従業員のコスト削減後も大幅に悪化するとの見通しを示した。
IAGはBAのほか、スペインのイベリア航空(IBE/IB)、アイルランドのエアリンガス(EIN/EN)、スペインのLCCであるブエリング航空(VLG/VY)とLEVEL(FOO/VK)を傘下に持つ。
関連リンク
International Airlines Group
ブリティッシュ・エアウェイズ
ANAとJAL決算
・ANA、新卒採用抑制も 休業35社4万2千人に(20年4月28日)
・ANAの20年3月期、純利益75%減 1-3月期は588億円の最終赤字、新型コロナ打撃(20年4月29日)
・ANA、機材計画は保守的、新路線も慎重に 20年度末の需要回復5-7割(20年4月29日)
・ JAL、20年3月期通期予想を下方修正 最終益64.9%減に(20年4月22日)
各社の支援要請
・エールフランスKLM、70億ユーロ借入 政府保証で(20年4月28日)
・米財務省、航空会社に追加支援1兆円 給与など使途限定(20年4月28日)
・米財務省、航空会社へ資金援助開始 給与や福利厚生限定(20年4月22日)
・サウスウエスト航空、給与支払いなどに32億ドル支援で米財務省と合意(20年4月17日)
・ユナイテッド航空、米財務省から50億ドル支援 給与などに活用(20年4月17日)
・アメリカン航空、米財務省から58億ドル支援 給与支援策を活用(20年4月16日)
国際機関による予測
・欧州の航空会社、旅客55%減で890億ドル減収 IATA予測、雇用危機を懸念(20年4月24日)
・ICAO、航空旅客12億人減少見込む 新型コロナ影響(20年4月24日)
・国際運輸労連とIATA、航空業界支援の充実要望 各国施策に危機感(20年4月22日)
・20年の航空旅客収入、55%減に IATA、年間予測を下方修正(20年4月15日)
・渡航制限3カ月で航空業界2500万人失業のおそれ IATA試算、旅客収入27兆円減(20年4月11日)