企業 — 2020年4月24日 20:13 JST

ファーストキャビンが自己破産申請 負債37億円

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 帝国データバンクによると、旅客機のファーストクラスをイメージした簡易宿泊施設「ファーストキャビン」を運営するファーストキャビン社と関係会社4社は4月24日、東京地裁へ自己破産を申請した。負債は5社合せて約37億円となる見込み。

自己破産を申請したファーストキャビンのファーストクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ファーストキャビン社は2006年7月設立。2009年4月に1店舗目の大阪・御堂筋難波店がオープンし、2012年4月に都内進出で初の空港内出店となる3店舗目の羽田ターミナル1店が開業し、2017年3月30日には空港2店舗目として関西空港内にも展開していた。

 日本人ビジネスマンや観光客のほか、訪日外国人の増加で日本人と外国人双方の利用が伸びていたが、近年は民泊の普及などで宿泊施設の競争が激化。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響で稼働率が10%台に大きく落ち込んだ。

 ホテルによっては休業となり、東京・秋葉原で2店舗目になる電気街店は今春開業予定だったが、3月26日の同社Twitterによると未定になっていた。事業計画を大きく下回る稼働状況が続き、財務状況が悪化するとともに資金繰りのめどがつかないことから破産申請に至った。

 これにより、ファーストキャビン社と子会社による直営5店舗は営業終了。築地、京橋、京都河原町三条、京都嵐山、柏の葉が営業終了となった。同社によると、フランチャイズ店舗も新型コロナウイルスの影響で多くが休業中だが、オーナーなどが再開する判断を下した場合は営業再開を予定しているという。

 関連会社は、ファーストキャビン開発、ファーストキャビン京都嵐山、ファーストキャビン京都嵐山、ファーストキャビン柏の葉の4社。申請代理人は、佐藤総合法律事務所の佐藤明夫弁護士ほか7人となる。

関連リンク
ファーストキャビン
帝国データバンク

ファーストキャビン、西麻布に10月開業 夜景望むバーも(17年9月19日)
寝台車イメージのカプセルホテル、天王寺駅前に10月開業 JR西日本とファーストキャビン(17年8月31日)
和のテイストで空港2店舗目 特集・ファーストキャビン関西空港(17年4月24日)
ファーストキャビン京橋、東京駅近くに開業 施錠できる最上位「プレミアムクラス」初登場(17年4月18日)
ファーストクラス風カプセルホテル、新橋に7店目開業(15年10月26日)
ファーストキャビン、築地店開業 バー併設カプセルホテル(15年1月29日)
エレベーターから男女別、飛行機のようなカプセルホテル「ファーストキャビン」秋葉原進出(13年6月26日)
“ファーストクラス”のカプセルホテル、大浴場も完備 羽田空港(12年4月19日)