国際線の9割が運休している全日本空輸(ANA/NH)では、休業させる社員の対象職種を拡大している。4月1日から客室乗務員の8割に当たる約6400人の一時帰休が始まり、緊急事態宣言発令から一夜明けた8日からは間接部門3000人も対象に加わった。その後はグループ会社の地上係員などにも対象が順次広がり、グループ社員約4万4000人の半数弱にあたる約2万人が対象になった。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響によるもので、感染拡大の長期化に備え、対象をグループの30社程度に広げることを検討している。
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現在休業対象になっているのは、ANA本体とグループ9社の計10社。運休便数の増加に伴い、空港の地上係員やグランドハンドリング(地上支援)係員などが所属するグループ会社のANAエアポートサービスや、コールセンターやマイレージクラブのサポート業務などを担うANAテレマート、研修事業を展開するANAビジネスソリューションなどが対象になっている。
在宅勤務や休業に加え、オフィスなどへ出社する必要がある場合は対象者をグループ分けし、感染者が発生した場合でも業務を継続出来る体制にしている。
ANAの国際線は計画便数の約9割が運休し、国内線も3割以上が運休や減便。15日も国内線の追加運休が発表され、外出自粛による需要減少が長期化する可能性がある。このため、今後は雇用維持のため休業対象のグループ会社を20社程度拡大する見通し。
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