新型コロナウイルスの感染爆発を防ぐため、4月7日夜に政府が緊急事態宣言を東京都など7都府県に発令して一夜明けた8日、羽田空港では従来より便数は大幅に減っているものの、普段通り離発着する旅客機の姿がみられた。一方で、全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)ともに国際線は計画の9割近い便が運休となっていることから、羽田空港のスポット(駐機場)には大型機を中心に翼を休める姿が上空からみられた。
ANAとJAL両社によると、8日の予約状況は緊急事態宣言前と比べて大きな変化はなかったという。「4月に入って大きく予約が減っている」(ANA)、「緊急事態宣言の話題が出始めた2週間ほど前から減少傾向が目立つ」(JAL)として、ここ数日と変わらない状況だった。
両社は国際線全路線を対象に運休や減便を実施。ANAは、夏ダイヤ初日の3月29日からゴールデンウイーク前の4月24日までの期間中、国際線72路線4653便のうち、87%に当たる72路線の4071便を運休・減便する。JALも、計画していた60路線5148便のうち、85%に当たる60路線4366便を運休・減便する。
国内線も、両社とも約25%にあたる便を運休や減便。JALは6日から28日までの伊丹-函館線と新潟-札幌(新千歳)線、札幌-秋田線の3路線は運休し、同じ路線を運航するANAに乗客を振り替えた。新型コロナウイルスの影響では初の他社振替で、ANAは札幌-女満別線と青森線、広島線の乗客をJALに振り替えている。
国内線の機材も運航から離れるものが増えてきたため、8日は羽田の第3ターミナル(旧称国際線ターミナル)にJALのエアバスA350-900型機(登録記号JA01XJ)が駐機している姿がみられた。同機は国内線機材で国際線には使用しておらず、JALによると、スポット運用の都合で、使用していない108番スポットに駐機することになったという。
また、厚生労働省が成田空港から中部空港へのチャーターをJALに手配。海外から成田へ帰国した人のうち、PCR検査の結果を待つ人が空港周辺のホテルに泊まりきれないため、希望者は中部空港周辺のホテルに泊まってもらうためのもので、7日夜にJALのボーイング777-300型機の国内線仕様機(2クラス500席:クラスJ 78席、普通席422席)が投入された。乗客同士の間隔を広く確保する必要があることから、座席数に余裕がある機材が選ばれた。
4月最初の土曜日の羽田空港
・JALとANAの大型機、羽田空港にひしめく 国際線大量運休で(20年4月5日)
ANAとJAL
・ANA、インド3路線5月末まで運休延長 現地発は臨時便(20年4月8日)
・JALとANA、国内線の無料払戻延長 5月6日搭乗分まで(20年4月8日)
・JAL、国内線769便減便 12日まで、緊急事態宣言で(20年4月7日)
・ANA、国内線25%減便 供給量4割減、一部運休も(20年4月6日)
・ANA、シカゴ・シドニー減便 国際線87%運休(20年4月4日)
・JAL、国内線24%減便 28日まで(20年4月2日)
・ANA、国際線全路線が運休対象 運航は14%、24日まで(20年4月2日)
・JAL、国際線全路線が運休対象 運航は15%に(20年4月2日)
【お知らせ】
誤字を修正しました。(20年4月8日 20:58 JST)