エアバスは現地時間4月5日、中国から購入したマスクを拠点とする欧州4カ国の政府に寄付した。中国から拡散した新型コロナウイルスへの対策の一環で、マスク400万枚をA350-1000の飛行試験機(登録記号F-WMIL)で輸送した。
A350-1000試験機は、3度目となる欧州-中国間の試験飛行を実施し、4月3日に仏トゥールーズを出発。4日に中国・天津のエアバス関連施設に到着し、マスク400万枚を搭載して欧州に戻った。同日中に独ハンブルクへ到着し、翌5日にフランスへ戻った。
3月中旬には、マスクをA330-800(A330neo)と空中給油・輸送機A330MRTTでも輸送。中国から欧州4カ国に届けた。このほか、大型輸送機A300-600ST「ベルーガ」と軍用機のA400M輸送機も使用し、欧州4カ国間にマスクを出荷した。
エアバスは2008年に、A320ファミリーの最終組立工場を天津に開設。エアバスと天津港保税区(TJFTZ)、中国航空工業集団公司(AVIC)とのJV(共同事業)で発足した。また2017年9月には、A330の機体引き渡しまでの最終工程を担う施設「コンプリーション&デリバリー・センター(C&DC)」を、同じ敷地内に開設した。
関連リンク
Airbus
・A320、中国製胴体の機体納入へ 21年から(19年9月9日)
・エアバス、天津工場開設10周年 380機以上納入(18年10月1日)
・エアバス、天津工場の月産レート引き上げへ A320、20年に6機(18年1月11日)
・エアバス、中国・天津にA330デリバリーセンター開設(17年9月20日)
・エアバス、天津製A320neo納入開始 初号機はエアアジア(17年10月25日)
・エアバス、天津工場製A320ファミリー200機到達(14年12月4日)
・エアバス、チベット航空に天津製シャークレット付きA319初号機納入(14年4月13日)
・エアバス、中国東方航空にA320シャークレット初号機引き渡し 天津で最終組立(13年5月18日)
・チベット航空、天津製A319を受領(12年11月26日)
・エアバス、100機目の天津製A320を中国国際航空へ引き渡し(12年9月26日)
・エアバス、中国天津で100機目のA320ファミリー最終組立完了(12年9月3日)