IATA(国際航空運送協会)は現地時間4月3日(日本時間4日)、6月にネーデルランド(オランダ)のアムステルダムで開催予定だった第76回AGM(年次総会)を延期すると発表した。航空会社や機体メーカーなどの首脳陣が一堂に会する会合で、IATAは開催時期は「安全で実施可能な時」としつつ、7-9月期(第3四半期)または10-12月期(第4四半期)になる見通しだという。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響によるもの。
今回は6月22日から23日まで開催予定だった。IATAのアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長兼CEO(最高経営責任者)は、「航空輸送業界がこれまで直面したもっとも深刻な危機にひんしている。ウイルスを封じ込めるための世界的な戦いの一環として、旅客便の多くは運航できず、航空会社は事業を継続するために苦労している。貨物分野では、航空会社は医療品など重要な貨物を含むグローバルなサプライチェーンを維持するために、できる限りのことを行っている」とコメントした。
IATAは新型コロナウイルスによる世界の航空会社全体の損失額について、最大で年間1130億米ドル(約11兆6017億円)にのぼるとの予測を3月5日に発表。旅客数は世界全体で19%減少すると予測している。
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