東京オリンピック・パラリンピックの聖火をギリシャのアテネから運ぶ聖火特別輸送機「TOKYO 2020号」が3月15日、成田空港にある日本航空(JAL/JL、9201)の格納庫から姿を現した。聖火は20日に宮城県の航空自衛隊松島基地へ到着する予定。
*聖火が松島基地へ到着。記事はこちら。
機体はJALのボーイング787-8型機(登録記号JA837J)を使用。機体前方に聖火ランナーのピクトグラムが描かれ、垂直尾翼には東京大会の聖火リレーエンブレムがデザインされた。機体全体で聖火リレーによる1本の希望の道を表し、「2020号」は英語の「Go」とかけた。機体のデザインは、2019年10月25日にお披露目された。
また、機体前方には全日本空輸(ANA/NH)とJALのロゴが描かれた。両社は東京大会のオフィシャルパートナー(航空輸送カテゴリー)を務める。15日は格納庫を出てすぐに、エンジンの試運転を実施する空港内の消音格納庫へ向かった。
聖火は3月12日にギリシャのオリンピアで太陽光から採火されたものの、中国から拡散し欧州で猛威を振るう新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、聖火リレーが途中で中止となり、別の方法でアテネまで届けられる。
松島基地へ到着後は、2011年に東日本大震災の被害に遭った宮城県と岩手県、福島県で「復興の火」として2日ずつ展示する計画。26日に福島県を出発後は、開会式が予定されている7月24日まで、121日間をかけて全国をめぐるスケジュールが組まれている。東京オリンピックは7月24日から8月9日まで開催が予定され、パラリンピックは8月25日から9月6日まで開く計画が進められている。
前回1964年の東京オリンピックは10月10日に開幕し、24日までの15日間で日本は金メダル16個を含む29個のメダルを獲得した。東京の国立競技場にともされた聖火は、ギリシャのオリンピアで8月21日に採火式が行われ、アテネからJALのダグラスDC-6B型機「City of Tokyo」号(JA6206)で、イスタンブールやベイルート、テヘラン、ラホール、ニューデリー、ラングーン、バンコク、クアラルンプール、マニラ、香港、台北の11カ所を経て、9月7日に返還前の沖縄・那覇空港へ到着した。
那覇からは、ANAにリースされた日本航空機製造のYS-11型機の試験2号機(JA8612)で、聖火リレーがスタートする鹿児島と宮崎、北海道へ運ばれた。
*写真は14枚。
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