全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は3月13日、成田空港と中国本土や香港、台湾を結ぶ貨物臨時便を設定し、貨物定期便も復便や増便、大型化を実施すると発表した。中国から拡散した新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、中国本土や香港、台湾への旅客便の運休や減便が続き、航空貨物の輸送スペースに余裕がなくなっているため。
貨物臨時便は、1日から冬ダイヤ最終日28日までの期間中、8路線68便設定。もっとも多いのは成田-香港間で、成田発(NH8541, 8543)と香港発(NH8542, 8544)を片道ベースで18便ずつ計36便運航する。2番目に多い成田-台北間は、成田発NH8533便と台北(桃園)発NH8534便を8便ずつ計16便、成田-上海(浦東)間を双方(NH8531/8532)6便ずつ計12便、成田-広州間を双方(NH8535/8536)2便ずつ計4便運航する。機材はいずれもボーイング767F型貨物機を使用する。
貨物定期便では、機材を大型化するのは成田-上海(浦東)線(NH8415/8522)で、中型貨物機の767Fを大型機の777Fへ変更。便数は変わらず双方週1便ずつ運航する。復便は成田-大連線(NH8501/8492)、天津線(NH8503/8504)、青島線(NH8427/8506)で、現在は3路線とも日中双方から週1便ずつだが、大連線は双方週4便ずつ計8便、天津線と青島線はそれぞれ双方週2便ずつ1路線あたり計4便になる。復便路線の機材はすべて767Fを使用する。
増便は関西-成田線の関西発成田行きNH8554便で、現在の週2便を同5便に増やす。これらにより、貨物定期便の復便と増便、大型化は、1日から28日までの期間中、9路線60便で実施し、既存便と合わせると92便になる。
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