米国のトランプ大統領は現地時間11日(日本時間12日午前)、英国を除く欧州からの入国を13日から30日間停止すると発表した。国民向けの演説で、「EU(欧州連合)は中国や流行地域からの渡航制限に失敗した」と述べ、中国から拡散し欧州で猛威を振るう新型コロナウイルス(COVID-19)の米国内での感染拡大を防ぐ。
航空各社では、米国と欧州を結ぶ大西洋路線の運航便数をすでに2割ほど削減し始めているが、さらなる運休が生じる可能性が出てきた。
日本では中国と韓国からの入国が事実上禁止後、両国の訪日客が多くの割合を占める関西空港では、中国と韓国からの旅客便は計画便数に対し95%が運休する事態になっている。
ボーイングでは、機体の工場などがあるシアトル近郊エバレットで働く従業員から、新型コロナウイルスの陽性反応が確認されるなど、米国内でも感染が拡大しつつある。
WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は11日、新型コロナウイルスについて「パンデミック(世界的大流行)と言える」と述べた。これまではパンデミックとの見方に否定的な見解を示し続けていた。
関連リンク
Donald J. Trump(Twitter)
The White House
WHO
ボーイングでも従業員感染
・ボーイング、エバレットの従業員から陽性反応(20年3月11日)
JAL国際線への影響
・JAL、シンガポールも減便 羽田・成田で10便(20年3月12日)
・JAL、羽田-北京線を成田発着に(20年3月11日)
・JAL、香港便を成田発着に ホノルルやデリー減便(20年3月10日)
・JAL、台湾・韓国便の運休・減便拡大(20年3月3日)
・JAL、中部-天津3月まで期間運休 感染拡大と検疫強化で(20年2月27日)
・JAL、台湾・韓国も減便 ウイルス影響広がる(20年2月18日)
・JAL、中国夜間駐機便を期間運休 中国滞在者の入国制限で(20年2月6日)
・ANAとJAL、中国一部運休・減便 3月まで(20年2月4日)
・JALの2月中国予約、10日間で25%キャンセル 3月は20%減(20年1月31日)
ANA国際線への影響
・ANA、北京便を成田発着に 香港や中韓便の運休続く(20年3月10日)
・ANA、国際線運休・減便拡大 中韓台印9路線(20年3月7日)
・ANAの中国路線、関空発すべて運休 成田-上海も(20年2月25日)
・ANA、関西-杭州減便 3月は一時運休(20年2月20日)
・ANA、中国・香港便の運休さらに拡大 半数以下の週85往復に(20年2月13日)
・ANA、中国便の運休拡大 計画半減し週81往復に(20年2月6日)
・ANAの中国発2月予約、昨年の半分に 日本発も4割減(20年1月30日)
・ANA、成田-武漢線の欠航継続 3月1日まで(20年1月30日)
・武漢チャーター機、羽田2タミサテライト”貸切”で感染防ぐ 普段は国内線用(20年1月29日)
海外の航空各社の運休減便
・ルフトハンザ、日本路線減便 感染拡大で(20年3月12日)
・スイス国際航空、日本路線減便 関空も(20年3月12日)
・オーストリア航空、成田便の再開延期 17日ウィーン発に(20年3月11日)
・カンタス航空、羽田のジャンボ小型化 9月までA330に(20年3月11日)
・キャセイ、日本7路線期間運休 新型コロナ、500便超に影響(20年3月9日)
・ユナイテッド航空、グアム4月末まで減便 成田・中部・関空発着(20年3月9日)
・ルフトハンザ、A380一時運航停止も グループ便最大半減検討(20年3月8日)
・ハワイアン航空、羽田-コナ期間運休 ホノルルも減便(20年3月7日)
・デルタ航空、日本6路線減便 羽田も対象、関空-シアトル期間運休(20年3月5日)
・シルクエアー、広島-シンガポール運休 3月26日に最終便(20年3月3日)
・ユナイテッド航空、成田3路線期間運休 羽田は通常運航(20年3月1日)
・シンガポール航空、日本6路線230便欠航 羽田は138便に拡大(20年2月26日)
・シンガポール航空、成田・羽田5月まで減便 感染拡大、全世界で688便影響(20年2月19日)
・キャセイ、新型コロナウイルスで大幅減便 日本路線も対象(20年2月10日)
入国規制
・中国・韓国から入国制限 到着は成田・関空のみ(20年3月5日)
・北京と上海、日本発渡航者を14日間隔離 出張困難に(20年3月4日)
・インド、日本人の未入国ビザ無効に 感染拡大防止で(20年3月3日)
各空港でも影響
・成田空港、免税店が臨時休業 飲食店など半数超が時短営業(20年3月11日)
・関空、国際線7割欠航 中韓便は95%に 9日から(20年3月10日)
・中部空港、3月は中国路線3路線 便数9割以上減(20年2月29日)
・成田空港、2月の中国旅客66.5%減 田村社長「全方面に影響懸念」(20年2月27日)