日本航空(JAL/JL、9201)グループは3月10日、中国から感染が拡大した新型コロナウイルス(COVID-19)による需要減少により、国内線の一部減便を追加すると発表した。対象期間は12日から19日までの8日間で、40路線以上で566便を減便。6日に発表済みのものと合わせると59路線に影響し、19%にあたる1300便以上が減便となる。
今回の追加では、ジェイエア(JAR/XM)が運航する伊丹発着の地方路線が目立った。JALによると、減便は予約率の低い日程や便のほか、機材繰りを考慮して決定しているという。減便はするものの、各路線とも1日1往復以上の運航は確保していると説明している。
—記事の概要—
・12日から19日で1300便以上
・羽田以外の地方路線
12日から19日で1300便以上
羽田発着の札幌(新千歳)線(1日あたり16往復32便)と伊丹線(同15往復30便)、福岡線(同17往復34便)、那覇線(同12往復24便)は、前回6日の発表と大きく変更はない。4路線のうち減便が最も多いのは福岡線の87便で、期間中は1日あたり最大で6往復12便を減便する。83便が減便となる札幌線は、最大で6往復12便を減便。伊丹線の減便は52便で、最大で5往復10便が減便となる。那覇線は40便が減便となり、最大で3往復6便を減便する。
羽田発着の地方路線では、52便が減便となる熊本線(1日あたり8往復16便)が最多で、期間中は1日あたり最大で4往復8便を減便する。羽田発着以外の地方路線では、ジェイエアの仙台-札幌線(同5往復10便)が最多で、36便を減便。期間中は1日あたり最大で3往復6便が減便となる。
このほか、羽田発着では鹿児島線(1日あたり8往復16便)が44便、宮崎線(同6往復12便)が42便、徳島線(同7往復14便)が32便、旭川(同4往復8便)と高松(同7往復14便)、北九州(同5往復10便)、大分(同6往復12便)の4路線が28便ずつ、ぞれぞれ減便となる。帯広(同4往復8便)と広島(同8往復16便)の2路線が26便ずつ、長崎線(同6往復12便)が23便、秋田(同4往復8便)と岡山(同5往復10便)、高知(同5往復10便)、松山(同6往復12便)の4路線は22便ずつ減便する。
女満別(1日あたり3往復6便)と釧路(同3往復6便)、青森(同6往復12便)の3路線は16便ずつ、函館(同3往復6便)と山口宇部(同4往復8便)の2路線は14便ずつ減便。小松線(同6往復12便)は10便、南紀白浜線(同3往復6便)は8便、関西線(同3往復6便)は6便、出雲線(同5往復10便)は4便、三沢線(同3往復6便)は2便を減便する。
羽田以外の地方路線
伊丹発着のジェイエア路線は、今回から従来の仙台(1日あたり8往復16便)と鹿児島(同7往復14便)、長崎(同4往復8便)の3路線のほか11路線が追加となり、14路線に増加。機材繰りなどにより、減便対象となる路線が拡大した。
このうち最も多い32便が減便となるのは札幌(1日あたり4往復8便)と新潟(同4往復8便)の2路線。26便が減便となる花巻線(同4往復8便)と24便減便の仙台線、22便減便の出雲線(同4往復8便)、20便減便の鹿児島線が続いた。
このほかの伊丹発着では、長崎線が18便、山形(1日あたり3往復6便)と熊本(同3往復6便)、宮崎(同5往復10便)の3路線が16便ずつ、松山(同3往復6便)が14便、青森(同3往復6便)と秋田(同3往復6便)が12便ずつ、大分(同3往復6便)が2便を減便する。
関空発着は2路線で、札幌(1日あたり3往復6便)が6便、日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)の那覇線(1日4往復8便)も6便が減便となる。
札幌(新千歳)発着はジェイエアの4路線が対象で、仙台線の36便減便が最多となった。このほか、青森(1日3往復6便)と花巻(同3往復6便)に加え、今回からは女満別(同3往復6便)も対象となり、いずれも16便ずつが減便となる。北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)の丘珠-函館線(同6往復12便)は16便、丘珠-釧路線(1日4往復8便)は10便が減便となる。
中部発着は、札幌線(1日4往復8便)を16便減便。期間中は1日3往復運航となる。JTAの那覇線(1日4往復8便)は、8便を減便する。
ジェイエアの福岡-宮崎線(1日7往復14便)は30便、福岡-松山線(同4往復8便)は16便を減便。JTAの福岡-那覇線(同6往復12便)は4便が減便対象となる。
鹿児島発着では、ジェイエアの奄美大島線(1日8往復16便)が24便、日本エアコミューター(JAC/JC)の屋久島線(同4往復8便)と、今回から対象となったジェイエアの徳之島線(同4往復8便)は8便ずつが減便となる。
関連リンク
日本航空
ジェイエア
日本トランスオーシャン航空
北海道エアシステム
日本エアコミューター
航空券対応
・スカイマークなども対象期間延長 手数料なしで変更・払戻(20年3月6日)
・ANAとJAL、変更手数料無料の対象期間延長 国内・国際線とも(20年3月6日)
・JALとANA、国際線航空券も変更・払い戻し手数料無料 発券・搭乗日など条件、感染拡大で(20年3月2日)
国内線減便
・スカイマーク、羽田-札幌など国内8路線減便 6000人影響(20年3月9日)
・ANA、国内線522便減便 13日から19日、25路線(20年3月7日)
・JAL、国内線684便減便 13日から19日まで、38路線影響(20年3月6日)
・JALとANA、国内線でも減便 ウイルス影響、羽田-福岡など38路線558便(20年3月4日)
ANAは国内線普通席でドリンク提供中止
・ANA、国内線普通席のドリンク提供中止 感染拡大で、毛布も(20年3月5日)
JAL客室乗務員感染も症状なし
・JALの客室乗務員、新型コロナ感染 隔離中で症状なし、シカゴ発JL009便乗務(20年3月9日)
JAL国際線への影響
・JAL、香港便を成田発着に ホノルルやデリー減便(20年3月10日)
・JAL、台湾・韓国便の運休・減便拡大(20年3月3日)
・JAL、中部-天津3月まで期間運休 感染拡大と検疫強化で(20年2月27日)
・JAL、台湾・韓国も減便 ウイルス影響広がる(20年2月18日)
・JAL、中国夜間駐機便を期間運休 中国滞在者の入国制限で(20年2月6日)
・ANAとJAL、中国一部運休・減便 3月まで(20年2月4日)
・JALの2月中国予約、10日間で25%キャンセル 3月は20%減(20年1月31日)
ANA国際線への影響
・ANA、北京便を成田発着に 香港や中韓便の運休続く(20年3月10日)
・ANA、国際線運休・減便拡大 中韓台印9路線(20年3月7日)
・ANAの中国路線、関空発すべて運休 成田-上海も(20年2月25日)
・ANA、関西-杭州減便 3月は一時運休(20年2月20日)
・ANA、中国・香港便の運休さらに拡大 半数以下の週85往復に(20年2月13日)
・ANA、中国便の運休拡大 計画半減し週81往復に(20年2月6日)
・ANAの中国発2月予約、昨年の半分に 日本発も4割減(20年1月30日)
・ANA、成田-武漢線の欠航継続 3月1日まで(20年1月30日)
・武漢チャーター機、羽田2タミサテライト”貸切”で感染防ぐ 普段は国内線用(20年1月29日)
大手2社以外への影響
・ピーチ、ソウル・上海便の運休拡大 19日から台北復便も(20年3月6日)
・ジェットスター・ジャパン、関西-マニラ期間運休 新型コロナ影響、グループ便に振り替え(20年3月6日)
・ジェットスター・ジャパン、成田-札幌80便減便 国内線は無料変更・払い戻し(20年3月5日)
・春秋航空日本、天津運休 武漢・重慶・寧波に続き(20年3月3日)
・スターフライヤー、国際2路線期間運休 羽田-北九州は減便(20年3月4日)
・ジェットスター・ジャパン、一時運休継続 5月末まで、成田-台北も(20年3月3日)
・エアアジア・ジャパン、中部-台北一部運休(20年3月2日)
・ジェットスター航空、日本3路線減便 ウイルス影響、カンタス航空は香港3路線(20年2月21日)
・ジェットスター・ジャパン、成田-香港も一時運休(20年2月14日)
・ジェットスター・ジャパン、成田-上海一時運休 ウイルス拡大、3月再開へ(20年2月4日)
・ピーチ、国際全路線に影響拡大 羽田-台北など11路線一時運休、減便は4路線(20年2月27日)
・ピーチ、那覇-香港3月まで運休 関空は減便(20年2月12日)
・ピーチ、上海一時運休 関空・羽田、3月まで(20年2月5日)
海外の航空各社の運休
・カンタス航空のA380、8機運航停止 新型コロナ影響、9月まで(20年3月10日)
・キャセイ、日本7路線期間運休 新型コロナ、500便超に影響(20年3月9日)
・ユナイテッド航空、グアム4月末まで減便 成田・中部・関空発着(20年3月9日)
・ルフトハンザ、A380一時運航停止も グループ便最大半減検討(20年3月8日)
・ハワイアン航空、羽田-コナ期間運休 ホノルルも減便(20年3月7日)
・デルタ航空、日本6路線減便 羽田も対象、関空-シアトル期間運休(20年3月5日)
・シルクエアー、広島-シンガポール運休 3月26日に最終便(20年3月3日)
・ユナイテッド航空、成田3路線期間運休 羽田は通常運航(20年3月1日)
・シンガポール航空、日本6路線230便欠航 羽田は138便に拡大(20年2月26日)
・シンガポール航空、成田・羽田5月まで減便 感染拡大、全世界で688便影響(20年2月19日)
・キャセイ、新型コロナウイルスで大幅減便 日本路線も対象(20年2月10日)
入国規制
・中国・韓国から入国制限 到着は成田・関空のみ(20年3月5日)
・北京と上海、日本発渡航者を14日間隔離 出張困難に(20年3月4日)
・インド、日本人の未入国ビザ無効に 感染拡大防止で(20年3月3日)
各空港でも影響
・関空、国際線7割欠航 中韓便は95%に 9日から(20年3月10日)
・中部空港、3月は中国路線3路線 便数9割以上減(20年2月29日)
・成田空港、2月の中国旅客66.5%減 田村社長「全方面に影響懸念」(20年2月27日)
セントレアの検疫で感染者確認
・中部空港で感染者確認 ベトナム経由で帰国、入国前検疫で(20年3月4日)