自動運転やロボット技術を手掛けるZMP(文京区)と全日本空輸(ANA/NH)、成田国際空港会社(NAA)は2月28日、成田空港で実施している車いすサイズの1人乗り自動運転モビリティ「RakuRo(ラクロ)」を使った実証実験を公開した。成田空港第1ターミナルの出国審査通過後にあるインフォメーションカウンター付近から搭乗口までの間を、乗客に見立てたANA社員を乗せ、障害物となる人を避けながら自動運転で走行した。
実証実験は27日と28日の2日間実施。RakuRoの開発と実証実験の企画運営はZMPが担い、ANAは実証実験の役務提供と協力、サービスの利用、評価、NAAが実験スペースの提供などを担当した。
ZMPが開発したRakuRoは、高さが120センチで全長110センチ、幅が65センチ。日本産業規格(JIS)が定める車いすの規格に収まっており、空港や商業施設などのほか、公道(歩道)を車いすとして時速6キロで走行できる。
利用者がスマートフォンから申し込むと、RakuRoが自動で指定した場所まで迎えに行き、乗車時に車載のタブレットで行き先を指定して出発する。乗車後のルート変更や追加にも対応でき、周囲の人と音声を使ったコミュニケーションや、利用が終わると決められた地点まで自動で戻る機能も備えている。また、自己位置の推定には、事前に設定した空港内の地図情報と、3D LiDAR、ステレオカメラ、リアカメラなどから得た情報を活用する。
ANA企画室の達野直樹マネージャーは、「空港は乗客らの長距離移動や複雑な動線がある。自動運転モビリティの活用で、利用者が好きな時、好きなところへ自由に移動できるようになるのではないか」と述べ、今回の実証実験で人の往来が多いターミナル内での運用が可能かを検証するという。
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