中部空港(セントレア)の中国本土路線の減少が止まらない。3月に運航する中国本土路線は3路線のみで、便数は1月と比較し9割以上落ち込む見込み。
1月1日時点の国際線は42都市に週482往復で、このうち中国本土路線は22都市に就航し、全体の4割を占める週211往復を運航した。1月に入り、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で需要が減少。航空各社は中国本土路線を一時運休・減便するなどの対策を講じた結果、3月1日時点での国際線は20都市週253往復となる。中国路線は3都市週16往復で、1月と比較し便数が195往復減少する。
同時に、路線数も減少。1月時点で36路線あった中国本土路線は、上海吉祥航空(DKH/HO)が週7往復運航する上海(浦東)線と、中国東方航空(CES/MU)が週7往復運航する上海経由の蘭州線、中国国際航空(エアチャイナ、CCA/CA)が週2往復運航する北京線の3路線のみとなった。
日本航空(JAL/JL、9201)は天津線を週2往復運航していたが、2月28日から冬ダイヤ最終日の3月28日までの期間運休が決まっている。
成田空港でも中国本土路線の出国旅客数が、2月1日から22日までの速報値で前年同月比66.5%減少するなど、ウイルスの影響は治まりそうにない。
関連リンク
中部国際空港 セントレア
各空港でも影響
・成田空港、2月の中国旅客66.5%減 田村社長「全方面に影響懸念」(20年2月27日)
・関空、中国便欠航85%に 週517便、24日から(20年2月21日)
・中部空港、中国便6割以上減 ウイルス影響、旅客・従業員の安全最優先(20年2月17日)
JALへの影響
・JAL、中部-天津3月まで期間運休 感染拡大と検疫強化で(20年2月27日)
・JAL、台湾・韓国も減便 ウイルス影響広がる(20年2月18日)
・JAL、中国夜間駐機便を期間運休 中国滞在者の入国制限で(20年2月6日)
・ANAとJAL、中国一部運休・減便 3月まで(20年2月4日)
・JALの2月中国予約、10日間で25%キャンセル 3月は20%減(20年1月31日)
ANAへの影響
・ANAの中国路線、関空発すべて運休 成田-上海も(20年2月25日)
・ANA、関西-杭州減便 3月は一時運休(20年2月20日)
・ANA、中国・香港便の運休さらに拡大 半数以下の週85往復に(20年2月13日)
・ANA、中国便の運休拡大 計画半減し週81往復に(20年2月6日)
・ANAの中国発2月予約、昨年の半分に 日本発も4割減(20年1月30日)
・ANA、成田-武漢線の欠航継続 3月1日まで(20年1月30日)
・武漢チャーター機、羽田2タミサテライト”貸切”で感染防ぐ 普段は国内線用(20年1月29日)
航空各社の運休
・ピーチ、国際全路線に影響拡大 羽田-台北など11路線一時運休、減便は4路線(20年2月27日)
・シンガポール航空、日本6路線230便欠航 羽田は138便に拡大(20年2月26日)
・ジェットスター航空、日本3路線減便 ウイルス影響、カンタス航空は香港3路線(20年2月21日)
・シンガポール航空、成田・羽田5月まで減便 感染拡大、全世界で688便影響(20年2月19日)
・ジェットスター・ジャパン、成田-香港も一時運休(20年2月14日)
・ピーチ、那覇-香港3月まで運休 関空は減便(20年2月12日)
・キャセイ、新型コロナウイルスで大幅減便 日本路線も対象(20年2月10日)
・ピーチ、上海一時運休 関空・羽田、3月まで(20年2月5日)
・ジェットスター・ジャパン、成田-上海一時運休 ウイルス拡大、3月再開へ(20年2月4日)
「欠航」と「運休」の使い分けは?
・「欠航」と「運休」どう違う? JALとANA「明確な基準なし」、時間経過で変化も(20年2月19日)
IATA、3兆円以上の損失予測
・ウイルス影響、世界の航空会社293億ドル損失 IATA予測、リーマン以来の需要低下も(20年2月21日)