日本航空(JAL/JL、9201)は2月28日、成田-ウラジオストク線を開設した。日本の航空会社が「日本から一番近い欧州」とも呼ばれるウラジオストクへ定期便を就航させるのは初めて。
ウラジオストク線は当初週3往復で水曜と金曜、日曜に運航し、3月29日開始の夏ダイヤから週7往復のデイリー運航に増便する。機材はボーイング737-800型機(2クラス144席:ビジネス12席、エコノミー132席)を使用する。
就航初日の運航スケジュールは、ウラジオストク行きJL423便が成田を午前11時30分に出発し、午後2時55分着。成田行きJL424便は午後4時15分にウラジオストクを出発して、午後5時30分に到着する。
JALの藤田直志副社長は、「1855年の日露和親条約から今年で165年を迎え、意義深い路線。乗客の皆様は令和の観光使節団として、ウラジオストクを楽しみながら文化交流していただきたい」と語った。初便のウラジオストク行きJL423便(737-800、登録記号JA310J)は、乗客117人(幼児なし)と乗員9人(パイロット3人、客室乗務員6人)を乗せ、成田を定刻より1分早い午前11時29分に出発した。
藤田副社長は、「搭乗率の目標は7-8割。今は日本人が8割くらいだが、ロシアからの利用を獲得していきたい」と意気込みを述べた。
日本政府観光局(JNTO)によると、2019年1年間のロシアからの訪日客は、前年同期比6.6%増の12万人で、27.3%増のベトナム、27.0%増の英国に次ぐ伸び率だった。
JALは日露両国がビザの発給要件を緩和した2017年に、アエロフロート・ロシア航空(AFL/SU)と包括的業務提携の覚書を交わすなど、日露間の輸送能力を強化。S7航空(SBI/S7)とも、2018年にコードシェア(共同運航)の対象路線を拡大している。
成田-ウラジオストク線はJALのほか、全日本空輸(ANA/NH)も3月16日から週2往復で開設。ANA初のロシア路線となる。また、S7航空も現在は同路線を運航しているが、夏ダイヤ初日の3月29日からは羽田発着を加える。
*写真は11枚。
運航スケジュール
成田-ウラジオストク線(20年2月28日就航)
20年2月28日から3月28日(週3往復)
JL423 成田(11:30)→ウラジオストク(14:55)運航日:水金
JL424 ウラジオストク(16:15)→成田(17:00)運航日:水金
JL423 成田(10:40)→ウラジオストク(14:05)運航日:日
JL424 ウラジオストク(15:35)→成田(16:50)運航日:日
3月29日以降(週7往復)
JL423 成田(11:20)→ウラジオストク(14:45)運航日:月水木土日
JL424 ウラジオストク(16:25)→成田(17:40)運航日:月水木土日
JL423 成田(10:40)→ウラジオストク(14:05)運航日:火金
JL424 ウラジオストク(15:35)→成田(16:50)運航日:火金
初便の搭乗記事
・日本から2時間半の欧州、機内食は軽め JALウラジオストク初便搭乗記(20年3月16日)
JALウラジオストク就航の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・冬のウラジオストク 東京から2時間半【ロシアまち歩き】
・【初便搭乗】JALウラジオストク就航 成田発JL423便
ウラジオストク線
・JAL、成田-ウラジオストク2月就航 ベンガルールは3月、SFO・グアムも強化(19年10月30日)
・JAL、ウラジオストク20年2月就航へ 前倒しで日本初の定期便、成田発着(19年10月30日)
・ANA、ウラジオストク20年3月16日就航へ 成田から週2往復、A320neoで(19年10月23日)
・ANAとJAL、ウラジオストク就航へ 20年に成田から(19年7月29日)
・JAL、ウラジオストク就航へ 20年に成田から(19年7月26日)
JALとANAの動き
・JAL、羽田発着枠増枠でホノルル2便 20年3月国際線強化、全国からハワイへ(19年11月19日)
・JAL、成田国際線を20年度3-5路線拡充 ZIPAIRも活用(19年11月20日)
・ANAの羽田国際線、12新路線 成田の米国5路線運休・減便へ 20年夏(19年11月19日)
・S7航空、羽田-ウラジオストク20年夏就航へ 露当局、成田・関空に7路線許可(19年11月14日)