日本航空(JAL/JL、9201)は、貨物輸送実験を長崎県内の離島空港間で2月18日に実施した。無人のヘリコプターで空港間をつなぐ実験で、静岡県から遠隔操作した。無人ヘリを遠隔操作し、空港間を目視外飛行するのは国内では初の試みで、事業化の可能性を探る。また翌19日には、長崎・五島列島で収穫した鮮魚を無人ヘリで運び、旅客機で都内へ空輸する実験も行った。
18日の離島間輸送は、五島列島の上五島空港と小値賀(おぢか)空港間の往復46キロで実施した。医薬品を想定した模擬貨物を保冷容器に入れ、空港間を無人ヘリで輸送。温度計測データを用い、輸送中の温度などを確認した。
19日の鮮魚空輸実験では、上五島空港と羽田空港間を無人ヘリと陸送、JAL便を用いた。上五島で水揚げされたクエなど約20キロの鮮魚を、上五島空港から対岸の西海市崎戸まで35キロを無人ヘリで運んだ。西海市から長崎空港までは陸送し、午後0時45分発の羽田行きJL610便で空輸。その後、都内のレストランへ同日中に輸送した。輸送中は18日の実験同様、温度などを確認した。
実験には、ヤマハ発動機(7272)の無人ヘリ「FAZER R G2」を使用。無人ヘリの離着陸時は現地で操作し、海上飛行中は静岡・浜松市のヤマハ発動機都田事業所から、衛星通信を経由し遠隔操作した。輸送にはヤマハ発動機のほか長崎県の西海市と新上五島町、小値賀町の各自治体らも協力した。
今後は、大型の無人航空機開発が進むことにより、事業化の可能性を探る。また、既存の航空貨物輸送と組み合わせることで旅客機未就航の離島と物流を構築し、航空貨物の需要を開拓する。
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