日本航空(JAL/JL、9201)は、次世代モビリティ関連企業3社に出資したと2月21日に発表した。2019年に設立したスタートアップ企業に投資するCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタルファンド)の「Japan Airlines Innovation Fund」を通じたもので、新たに設立した社内の専門組織が成長を支援していく。
出資したのは、独VolocopterとスイスBestmile、米Fetch Roboticsの3社。Volocopterは、「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離陸機)を開発しており、2019年10月にシンガポールで有人飛行実証実験を成功させている。
Bestmileは、自動車などの配車管理を最適化するプラットフォームを開発しており、世界複数都市で導入実績がある。自動運転タクシーなど、複数の公共交通機関を一つの移動手段として捉える概念「MaaS(マース:Mobility as a Service)」の普及に貢献するとみている。
Fetch Roboticsは、倉庫や工場など大規模施設内で使う自動運搬ロボットや管理プラットフォームを開発。倉庫内作業の自動化で労働力不足を補完するなど、導入効果が評価されており、多くの企業で採用実績があるという。
JALは今年1月に、次世代モビリティ領域の事業拡大に向け、イノベーション推進本部事業創造戦略部内に専門組織としてモビリティグループを設立。3社をはじめスタートアップ企業が持つ最先端技術やビジネスモデルとの連携を深める。また、今月に入り住友商事(8053)やヘリコプターのベル・テキストロンとeVTOL分野で業務提携を結んでいる。
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