IATA(国際航空運送協会)は現地時間2月20日、感染が拡大する新型コロナウイルス(COVID-19)の影響での需要低下による、世界の航空会社全体の2020年損失額について、293億米ドル(約3兆2807億円)となるとの予測を発表した。アジア太平洋全体では278億ドル、中国国内のみで128億ドルの損失を予測している。
有償旅客の輸送距離を示すRPK(有償旅客キロ)のうち、世界全体ではウイルス拡大に起因し4.7%減となると予測。2019年12月に発表した今年の予測値4.1%増と合わせ、0.6%の減少を見込む。
アジア太平洋では、RPKがウイルスにより13.0%の減少を予測。今年の予測値4.8%増と合わせ、8.2%減を見込む。
IATAのアレクサンドル・ド・ジュニアック事務総長兼CEO(最高経営責任者)は、「2008年のリーマン・ショック以来の需要低下を引き起こす可能性がある」との認識を示した。
日本を含む各航空会社では、新型コロナウイルスでの需要低下による影響で減便が相次いでいる。日本航空(JAL/JL、9201)と全日本空輸(ANA/NH)は、中国本土と香港路線を運休・減便。JALは対象を台湾と韓国路線にも広げている。シンガポール航空(SIA/SQ)は、東アジアや欧米などの一部路線を5月末まで減便し、キャセイパシフィック航空(CPA/CX)とキャセイドラゴン航空(旧・香港ドラゴン航空、HDA/KA)は、冬ダイヤ期間中の供給座席数を約30%削減する。
国内の空港でも中国路線減少の影響が出ている。中部空港(セントレア)では1月と比較し、便数が6割以上落ち込んでいる。関西空港でも週間計画便数の80%にあたる492便が欠航している。
関連リンク
IATA
19年12月の予測
・IATA、世界航空各社の2020年純利益13.1%増293億ドル ジュニアック事務総長「今年は経済循環の底」(19年12月12日)
航空各社で運休
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・JAL、台湾・韓国も減便 ウイルス影響広がる(20年2月18日)
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各空港でも影響
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・中部空港、中国便6割以上減 ウイルス影響、旅客・従業員の安全最優先(20年2月17日)
・関空、中国便6割超の401便欠航 10日から1週間で(20年2月11日)
・関空、中国便4割欠航 3日から1週間で(20年2月4日)
「欠航」と「運休」の使い分けは?
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