国土交通省航空局(JCAB)は、羽田空港の新飛行経路を航空会社の定期便が都心上空を実際に飛ぶ「飛行確認」について、南風運用による確認を2月12日に終了した。北風での確認は5日に終了しており、飛行確認は完了した。
JCABは2月2日から12日までの期間内で、6日と8日、9日、10日を除く7日間を対象に、南風運用による到着・出発便で飛行確認を実施。羽田に4本ある滑走路のうち、A滑走路(RWY16R)とC滑走路(RWY16L)を到着で、B滑走路(RWY22)を出発で使用した。期間内にA滑走路に着陸したのは148便、C滑走路に着陸したのは372便、B滑走路から出発したのは245便だった。
A滑走路着は7日の35便が最多で、4日の7便が最少だった。C滑走路着は78便だった7日が最多、31便の11日が最少。B滑走路発は7日の50便が最多で、4日の22便が最少だった。
最終日となった12日の測定結果速報値によると、A滑走路の経路下のうち目黒区の田道小学校では、地下鉄の車内に相当する75から73デシベルの騒音を約10秒間観測。品川区の東京都下水道局南部下水道事務所品川出張所では、航空機の機内に相当する80から78デシベルの騒音が約5秒間続いた。
C滑走路の経路下のうち、港区の高輪台小学校では81から79デシベルの騒音を約2秒間観測。品川区の東京都下水道局八潮ポンプ所では77から75デシベルの騒音が約3秒間続いた。
B滑走路の経路下にある川崎市の国立医薬品食品衛生研究所では、パチンコ店内に相当する91から89デシベルの騒音を約4秒観測。経路近くにある大田区の羽田小学校では、ゲームセンター店内に相当する84から82デシベルの騒音が約2秒続いた。
新飛行経路の運用は、3月29日に始まる夏ダイヤから。これにより国際線の発着回数が3万9000回増え、現在の年間6万回から9万9000回に拡大する。
関連リンク
羽田空港(東京国際空港)飛行コースホームページ(国交省)
新飛行経路運用開始後の測定結果の公表(20年3月29日から公開予定)
騒音対策について(PDF、国交省東京航空局)
「羽田空港のこれから~飛行経路の見直しによる羽田空港の国際線増便について~」(PDF、国交省)
新飛行経路
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