エアライン, 企業, 空港 — 2020年2月12日 18:53 JST

ANAと豊田自動織機、中部空港でも自動走行試験 トーイングトラクターで

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 全日本空輸(ANA/NH)と豊田自動織機は2月12日、貨物コンテナなどをけん引する「トーイングトラクター」の自動走行試験を、中部空港(セントレア)で報道関係者に公開した。佐賀空港に続き2例目の自動走行試験で、2020年度での実用化を目指す。

タブレットを操作し自動運転を実証実験するANAの地上支援業務スタッフ=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 今回の実験は、2月10日から14日までの5日間実施する。中部空港は2018年度に発着回数が10万回以上で、車両の往来が多いことから実証実験の場に選んだ。第1ターミナルビル下にある荷さばき場と、105番スポット(駐機場)の間2.5キロを往復。片道6分程度で走行し、12分で荷さばき場に戻る。操作はタブレットを用い、現在位置や到着時間なども把握できる。人が運転する従来のトーイングトラクター同様、時速約15キロで走行し、実証実験では、コンテナには貨物に見立てた重りを載せる。

 豊田自動織機は、ANAなどが採用しているトーイングトラクターを製造しており、今回も前回の佐賀同様、電動のものを試験に投入する。自動走行するトーイングトラクターには、自車と目的地の位置や周囲の状況を認識し、安全で正確に走行するため技術を複数装備。対象物にレーザー光を照射するセンサー「2次元/3次元LiDAR」を使った障害物検知や、車両に搭載したカメラで撮影した路面と予め用意した画像データを比較することで、車両の位置・姿勢情報を取得する「路面パターンマッチング」、GPSによる自己位置推定・誘導機能、自動停止・回避機能を採用している。

 佐賀空港では、2019年9月30日から10月11日まで検証した。今後は羽田や成田、関西などの大規模空港での実証実験を検討する。実証実験を進めるANAのオペレーションサポートセンター品質企画部オペレーション企画チームの大野亮介マネジャーは「大きな空港での実証実験には課題も多い。実際の荷物を運搬し、実践に近い実証実験も必要」と述べた。実用化まではあと1年少々。大野マネジャーは「時間がない」と気を引き締めた。

 ANAは、少子高齢化や人手不足への対応策として、空港の制限エリア内を走る連絡バスの自動運転化に向けた実証実験など、空港業務の自動化や省力化をグループで進めている。

車内で手を離し自動運転をアピールするANAの地上支援業務スタッフ=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

車内で手を離し自動運転をアピールするANAの地上支援業務スタッフ=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ANAと豊田自動織機が実証実験に投入する自動運転するトーイングトラクター=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ANAの地上支援業務スタッフが使用する自動運転を操作するタブレット=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ANAの地上支援業務スタッフが使用する自動運転を操作するタブレット=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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