ボーイング, 機体, 空港 — 2020年2月12日 17:53 JST

1000機目の787、米国へ主翼輸送 ドリームリフター機内、日本初公開

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 ボーイングは2月12日、1000機目となる787型機の主翼を、専用貨物機747-400LCF「ドリームリフター」で中部空港から米国の最終組立工場へ向け輸送した。また1000機目を記念し、ドリームリフターの機内を初公開した。

1000機目となる787の主翼を積み込むボーイングの747-400LCF「ドリームリフター」=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
夏ごろ引き渡し
1月末で945機納入

夏ごろ引き渡し

1000機目となる787の主翼を積み込むボーイングの747-400LCF「ドリームリフター」=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 主翼は三菱重工業(7011)が製造し、2月10日に三菱重工の名古屋航空宇宙システム製作所の複合材主翼センターから出荷した。787-10向けの主翼で、受領する顧客名は非公表。夏ごろをめどに引き渡す。

 部材には1000機目の出荷を祝う横断幕を掲出。1000機目の部材のうち、日本からの主翼以外の出荷はすべて完了している。

 1000機目の主翼を出荷した747-400LCF(登録記号N718BA)は、5Y4531便として運航。中部を午後4時20分過ぎに出発し、同30分過ぎに離陸した。

 787は機体の構造部位のうち、主翼など35%を日本企業が中部地域で製造している。三菱重工は主翼、川崎重工業(7012)は前部胴体、SUBARU(7270)は中央翼を担う。製造した主要部位は、中部空港内にある「ドリームリフター・オペレーションズ・センター」(DOC)で保管。中部からは、最終組立工場がある米ワシントン州エバレットとサウスカロライナ州ノースチャールストンへ、ドリームリフターで運ぶ。今回の1000機目の主翼は、ノースチャールストンへ輸送する。

 ドリームリフターは747-400旅客機を改修した機体で、4機運航している。2005年に改修を開始し、2007年に運航を開始した。787の主翼を1組2枚同時に運ぶことができ、機内には、胴体後部ごと開く「スウィングテールカーゴドア」から搬入する。

 運航は米国のアトラスエアー(GTI/5Y)が担い、パイロット3人で運航する。中部からエバレットまでは直行で約9時間。ノースチャールストンまではアンカレッジかシアトルを経由し、約16時間かかる。

 競合のエアバスは、新型の大型輸送機「Beluga XL(ベルーガXL)」を1月9日に就航。輸送力を従来機のベルーガよりも30%向上させ、A350型機の主翼を1組2枚同時に運べるようになった。

1月末で945機納入

JALとANAの787=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 787は標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成。2011年から引き渡しを開始し、シリーズの初号機となった787-8(JA801A)は9月25日に全日本空輸(ANA/NH)へ納入した。

 787-9の初号機(ZK-NZE)は、2014年6月30日にニュージーランド航空(ANZ/NZ)へ、787-10の初号機(9V-SCA)は、2018年3月14日にシンガポール航空(SIA/SQ)へ、それぞれ引き渡している。

 1月末現在、3機種合計で1485機を受注。945機を引き渡している。受注の内訳は、787-8が426機、787-9が866機、787-10が193機。納入は787-8が370機、787-9が525機、787-10が50機となっている。

 日本では、ANAと日本航空(JAL/JL、9201)の2社が導入している。ANAは3機種を合計で83機、JALは787-8と787-9を合わせて49機発注済み。ANAの内訳は、787-8が36機、787-9が44機、787-10が3機、JALは787-8が29機、787-9が20機となる。

 ANAは3機種計で71機、JALは2機種計で47機受領済み。ANAは787-8を完納し、787-9を33機、787-10を2機導入している。JALは787-8を28機、787-9を19機受領している。

 787の現在の月産レートは14機。ボーイングは今年後半からの減産を計画し、12機に落とす。2021年初旬からは10機とさらに減産し、2023年から12機に戻す。

1000機目となる787の主翼を積み込むボーイングの747-400LCF「ドリームリフター」=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

1000機目となる787の主翼を積み込みスウィングテールカーゴドアを閉めるボーイングの747-400LCF「ドリームリフター」=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

1000機目となる787の主翼を積み込みスウィングテールカーゴドアを閉めるボーイングの747-400LCF「ドリームリフター」=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

1000機目となる787の主翼を積み込み中部空港を離陸するボーイングの747-400LCF「ドリームリフター」5Y4531便=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

1000機目となる787の主翼を積み込み中部空港を離陸するボーイングの747-400LCF「ドリームリフター」5Y4531便=20年2月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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