成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は、LCC(低コスト航空会社)が乗り入れる第3ターミナルにシークセンス(SEQSENSE、千代田区)の警備ロボット「SQ-2」を2月4日から1台導入する。国際線搭乗口付近など出国手続き後のエリアで、持ち場から動かずに警備する「立哨警備」や館内の巡回警備を担う。
成田では東京オリンピック・パラリンピックに向け、ロボット導入を進めており、第1弾となるセコム(9735)の警備ロボット「X2」を、2019年6月から第1と第2ターミナルで計4台運用している。第2弾は11月導入の清掃ロボットで、今回第3ターミナルで運用を始めるSQ-2は第3弾となる。
SQ-2は、自律移動型ロボットを開発するシークセンスが製作。大きさは129.5センチ×51センチ×50.6センチで、重量は65キロ、45分の充電で約6時間稼働できる。X2との比較で足回りの面積が小さく、人ごみの中や狭い通路でも使いやすいのが特徴で、混雑の激化が見込まれる第3ターミナルの構造に適した形であることから導入を決めた。
ロボットが自分の位置特定と3Dマップを作成するための空間認識センサー「3D LIDAR」や、周囲360度を常時撮影できるカメラなどを備え、時速1.4キロ(秒速40センチ)で高度な自律走行が可能。マイクとスピーカーを使って遠隔管理している警備員と利用者が会話できるようにし、不審者には警告音を鳴らせるという。
1月29日のお披露目では、進路をふさぐように横切る人を自動でかわして走行する様子や、利用者役のスタッフと遠隔操作するスタッフが会話する様子などを公開した。
NAA保安警備部の國本正典マネージャーは、増え続ける利用者を受け入れる空港として、「危機管理への意識を高く持ち、万全の警備体制を構築していかなければならない。世界で一番安全、安心な空港を目指す」とあいさつした。
成田では、ロボット導入第4弾として多言語情報発信できるサイネージロボットを今春、第5弾となる案内ロボットの導入を今夏に計画している。ロボットの導入により、人手不足の解消やコスト削減、業務の効率化につなげていく。
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【お知らせ】
キャプションの一部に誤記があったため修正しました。(20年2月3日 10:43 JST)