福岡空港を運営する福岡国際空港会社(FIAC)は1月28日、供用開始を2日後に控えた国内線ターミナルの新バスラウンジと9・10番搭乗口を、報道関係者に公開した。今回の開業により、2015年6月からの国内線ターミナル再整備工事は完了となる。また、国土交通省が整備を進めてきた平行誘導路も二重化運用とすることで、夏ダイヤから増枠となる。
—記事の概要—
・発着枠3回増枠
・4カ所はマルチスポット
・25年度には第2滑走路も
発着枠3回増枠
国交省は2012年度から、国内線ターミナル地区の平行誘導路を整備。1月30日から全面的に二重化運用を開始する。二重化により国内線と国際線を増枠し、夏ダイヤ初日の3月29日からは現在の1時間あたり合計35回から3回増え、38回となる。誘導路二重化とターミナル再整備を合わせ、航空機の遅延縮小など利便性を向上につなげる。
福岡空港は、2016年10月の旧国内線第1ターミナルビルを閉館。当時の第2・第3ターミナルビルを「国内線旅客ターミナル」に改称し、国内線を1カ所に集約した。平行滑走路は、ターミナルを50メートル東側に移設したことから整備が進んだ。
平行滑走路の供用により、出発と到着が同時に往来できるようになる。
4カ所はマルチスポット
新設したバスラウンジ棟1階のバスラウンジと、南側の9・10番搭乗口も、30日からオープンする。バスラウンジと新搭乗口は、現在の8番と11番搭乗口の間に整備する。
バスラウンジは81・82番搭乗口として運用し、2階にある南北どちらの保安検査場からも利用できる。南保安検査場からは95メートルで、通過後1階へ下りて向かう。待合室の広さは550平方メートルで、259席を設ける。滑走路に面した窓側席には、AC電源とUSBのタップも設置。各搭乗口とも、同時に3便まで計6便に対応する。バスラウンジは、搭乗橋(PBB)を使用できないターボプロップ機での運航便などが使用する。
81・82番搭乗口の供用に伴い、北側にある現在の仮設バスラウンジ(41-45番搭乗口)は前日29日に閉鎖する。仮設バスラウンジは、2016年10月の旧国内線第1ターミナルビル閉館後から使用し、広さ460平方メートル、323席だった。
PBBを備える搭乗口は、整備前は13カ所。今回の9・10番搭乗口の供用開始により12カ所となるものの、このうち4カ所を大型機と小型機に対応できる「マルチスポット」としたため、最大で16機駐機できるようになる。
国内線の乗客が使用する施設は今回の開業でそろうが、今後はバスラウンジ棟2階と3階の商業施設や展望デッキの工事を進め、今夏をめどにオープンを予定している。
25年度には第2滑走路も
国が管理する福岡空港は、現在第2滑走路の建設を進めており、2025年に供用開始を予定。国内線ターミナルの再整備は民営化前に始まったものだが、国際線ターミナルはFIACが計画をまとめ、2023年度から施設の供用開始を目指す。
福岡空港は、国に所有権を残したまま運営権を売却する「コンセッション方式」で、2019年4月1日に民営化。空港を運営するFIACは、を代表企業として、西鉄(西日本鉄道、9031)と三菱商事(8058)、九州電力(9508)、シンガポールのチャンギ国際空港などを運営するChangi Airports International(CAI)の5社で構成するコンソーシアム(企業連合)「福岡エアポートHDグループ」が出資している。
関連リンク
福岡空港
福岡国際空港株式会社
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・福岡エアポートHD設立 オール九州で運営権取得目指す(17年2月16日)
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【お知らせ】
タイトルを一部変更しました。(20年1月28日 21:05JST)