空港のリムジンバスから自動運転タクシー、自動運転モビリティに乗り継ぐ実証実験を、東京空港交通と東京シティ・エアターミナル、日本交通、日の丸交通、三菱地所(8802)、JTB、ZMPの7社が、1月20日から都内で始めた。2月1日まで。スマートフォンのアプリを使い、複数の移動手段を手配できるようにする取り組みで、7社によると世界初だという。訪日外国人が増加する中、タクシー運転手が不足する深夜早朝帯を自動運転タクシーで補えるかを検証していく。
今回の実証実験は、マイカー以外の交通手段による移動を利用者にとって一元的なサービスと捉える概念「MaaS(Mobility as a Service)」を活用したもの。自動運転タクシーはZMPのミニバンタイプの自動運転車両「ZMP RoboCar MiniVan」を2台使い、丸の内パークビルと東京シティエアターミナルまでの約3キロを走る。自動運転モビリティはZMPの一人乗りタイプ「(ZMP Robocar Walk」を1台使用し、丸の内パークビル敷地内と丸の内仲通りの一部を走行ルートに設定した。
20日は、外国人男性モデルが羽田空港から箱崎のT-CAT(東京シティエアターミナル)に到着したリムジンバスから降りて自動運転タクシーに乗車し、到着地の丸の内パークビルで自動運転モビリティを利用する流れが紹介された。
自動運転技術を手掛けるZMPの谷口恒社長は、「一人乗りの自動運転モビリティは、タクシーを降りた後のラストワンマイルをサポートすることを目指す。空港のバスとタクシー、一人乗りモビリティーと異なる交通手段をスマートフォンアプリでひとつのサービスとして利用できる東京版MaaSで、世界初の試みになる」とあいさつした。
日の丸交通によると、実証実験のターゲットは訪日外国人だという。人手不足で深夜早朝のタクシーが不足していることから、自動運転で補う方法を検証していくという。
ZMPと日の丸交通は、2018年8月にも大手町-六本木ヒルズ間で自動運転タクシーの実証実験を実施している。2回目の今回は、走行距離は前回の5キロから3キロに短縮されたものの、交差点の数は同じで、非常に短い距離で右左折をしたり、人通りが多いところを走行する難易度の高いルートを選び、実用化に近づけていく。
関連リンク
東京空港交通
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