全日本空輸(ANA/NH)と北海道旅客鉄道(JR北海道)は1月20日、地域活性化に向けて連携を開始すると発表した。フリーパスを通じ協業することで、国内外の観光需要の取り込みを強化する。
—記事の概要—
・きた北海道への誘客強化
・来道訪日客アジア7割
きた北海道への誘客強化
第1弾として、4月1日から北海道北部エリアでフリーパスを提供する。「ANA きた北海道フリーパス」で、旭川以北の宗谷本線沿線への誘客を強化する。新千歳と旭川、稚内の各空港着の、コードシェア(共同運航)便を含めたANA便の旅客が購入でき、札幌駅や小樽駅を含めた新千歳空港駅から稚内駅までの範囲で4日間利用できる。
発売期間は2021年3月31日までの1年間。大人1万3150円、子供6570円で販売する。25歳以下の旅客向けの料金も設定し、1万520円で提供する。販売所は到着空港により異なる。
また、地域体験のシェアリングサービス「TABICA」(タビカ)とも連携。沿線に住むホストが企画する宗谷丘陵のウォーキングツアーや自然体験などを通じ、新たな魅力発見や地域活性化につなげる。
ANAとJR北海道は今回の連携で、両社のウェブサイト内に専用ページを開設。鉄道と飛行機を融合した連携ロゴを作製し、機運を高める。
来道訪日客アジア7割
20日に札幌市のJR北海道本社で会見した、ANAの新川新一・北海道支社長は今回の連携について「短期的な連携ではなく、北海道の発展と日本の観光立国を目指す」と意気込みを語った。
今回の連携により、日本人客のほか訪日客の来道を促す。新川支社長は来道する訪日客の現状について、「中国を中心としたアジア圏が7割を占める」とし、「(19年開催の)ラグビーワールドカップで、欧米豪も拡大した」と説明した。
第2弾以降、道内の別エリアでも展開を見込む。JR北海道鉄道事業本部の林雅子営業部長は、「現時点で決まったエリアはない。協議を進めていく」と述べ、第1弾の宗谷本線沿線に注力する姿勢を示した。
・ANA、ツアー価格を変動型に 異業種協力で「手ぶら旅」、綾瀬はるか“CEO”に就任(19年12月3日)
・新千歳など7空港民営化、北海道エアポートが実施契約(19年11月1日)