全日本空輸(ANA/NH)は1月5日夜、機体前方に「787」と大きく描いた最後のボーイング787-8型機(登録記号JA818A)を羽田空港で報道関係者に公開した。当初は6日が運航最終日となる予定だったが、機材繰りの関係で延期。6日正午の時点で、週内にも現在の姿でのラストフライトを迎える見通しで、10日にもリペイント(再塗装)のため海外に飛び立つとみられる。
ANAの787は、初号機(登録記号JA801A)と2号機(JA802A)の特別塗装、今回消滅する787ロゴ塗装、他機種と同じ通常塗装の3種類が存在。自動車のナンバープレートに当たる「登録記号」でJA803AからJA824Aまでの22機が787ロゴ塗装で、すべて標準型の787-8となる。国際線仕様は一足早く姿を消しており、JA820A(13年6月受領)が2019年12月24日に成田空港からリペイントを実施する台北へ飛び立った。
最後に残ったJA818Aは2013年5月に引き渡された機体で、国内線仕様機。5日は松山からNH598便として午後8時52分に69番スポット(駐機場)へ到着。その後は格納庫前にトーイングされた。6日は羽田発伊丹行き、NH13便伊丹発羽田行きNH18便に投入され、現在は羽田発石垣行きNH91便に投入されている。
ANAは、2014年2月に引き渡された納入25機目のJA827Aと26機目のJA825Aから通常塗装に変更しており、この時点で787の認知度を高める活動は一定の効果があったとして、ブランド管理の観点から塗装を他機種と揃えている。このため、映画『スター・ウォーズ』に登場するロボット「R2-D2」を描いた「R2-D2 ANA JET」(787-9、JA873A)などの特別塗装機を除くと、787の塗装は2011年10月26日の就航以来、初めて統一される。
ANAは2004年4月26日、ローンチカスタマーとして787を50機購入すると決定。標準型の787-8を36機、長胴型の787-9を44機、超長胴型となる787-10を3機の計83機を発注しており、787-8は完納、787-9は33機受領済み、787-10は2機受領済み。エンジンはいずれもロールス・ロイス製トレント1000を選定している。
*写真は14枚。
*写真特集を別途掲載します。
関連リンク
全日本空輸
787ロゴ塗装
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外観の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・最後の787ロゴ塗装機 ANA 787-8 JA818A
初の通常塗装機
・ANAの787、他機種と同一塗装に 25機目から”787″ロゴ消える(14年2月10日)
JA802Aリペイント
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