ボーイングは現地時間4月19日、米国連邦航空局(FAA)が787型機のバッテリー改善策を正式に承認したと発表した。米国では機体の改修作業が行えるようになり、航空会社の運航再開と新造機の引き渡しが数週間以内に可能となる見通し。
ボーイングがFAAに示した改善策は、バッテリーのセル単位での発生防止と、不具合が生じた際の拡散防止、機体への影響防止の3段階で構成。ショートにつながる結露など、原因として考えられる約80項目を4グループに分け、これらに対して包括的に対応できる改善策にした。充電器の電圧を見直したほか、新たにバッテリーを収めるエンクロージャー(ケース)と排気システムを採用し、出火要因を排除した。
FAAが認可した改善策によるバッテリーシステムの改修作業は、引き渡し順で行われる予定。787を世界最多の17機保有する全日本空輸(ANA、9202)と7機保有する日本航空(JAL、9201)が改修作業を行うためには、国土交通省航空局(JCAB)の承認が必要となる。両社とも現段階では事実関係を確認中としている。
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