機体 — 2019年12月18日 13:35 JST

E175-E2、初飛行に成功 三菱スペースジェット競合

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 エンブラエルは、次世代リージョナルジェット機「E2」シリーズのうち最も小さい機体サイズのE175-E2について、現地時間12月12日に初飛行に成功した。今後、試験機3機を投入し、型式証明(TC)の取得を目指す。

初飛行に成功したE175-E2(エンブラエル提供)

 E175-E2の飛行試験機(登録記号PR-ZXM)は、エンブラエル本社のあるブラジルのサンジョゼ・ドス・カンポスを、現地時間午前11時7分に出発。2時間18分飛行した。今後は、試験機3機で型式証明の取得を目指す。1号機と2号機は空力と性能、システム試験に投入し、内装を設置した3号機ではメンテナンス作業を検証する。

 E2シリーズは、現行のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」の後継機。E175-E2のほか、E190-E2とE195-E2の3機種で構成する。エンジンは、三菱航空機が開発を進める三菱スペースジェット(Mitsubishi SpaceJet、旧MRJ)同様、低燃費と低騒音を特徴とする米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製GTFエンジンを採用。推力の違いにより、E175-E2がPW1700G、E190-E2とE195-E2がPW1900Gを搭載する。

 E175-E2のメーカー標準の座席数は1クラスの場合は最大90席、2クラスは80席。三菱スペースジェットのうち、標準座席数88席を設定するSpaceJet M90(旧MRJ90)と競合する。E175-E2は、米国で地方路線を運航するスカイウェスト航空(SKW/OO)から100機受注。幹線を運航する航空会社のキャパシティ購入契約(Capacity Purchase Agreements:CPA)に基づき、IFRS(国際財務報告基準)の会計処理の変更により、2018年7-9月期(第3四半期)以降の受注リストから削除しているが、受注は継続している。

 E2シリーズのうち、1クラス114席、3クラス97席のE190-E2は2018年4月から、1クラス146席、3クラス120席のE195-E2は今年9月から引き渡しを開始している。9月末現在、E190-E2は44機受注し、7機納入済み。E195-E2は124機受注し、1機を引き渡している。

初飛行に成功したE175-E2(エンブラエル提供)

初飛行に成功したE175-E2(エンブラエル提供)

初飛行に成功したE175-E2(エンブラエル提供)

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E175-E2
Embraer

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