全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の片野坂真哉社長は12月13日、最大30機の発注を決定しているボーイング737 MAX 8について、計画を変更せず導入する意向を示した。737 MAXの墜落事故により、ANAHDは正式には発注していない。
ANAHDは今年1月29日に、737 MAXの導入を発表。最大30機発注のうち20機が確定発注、10機がオプションとなる。オプションの内容は非公表で、現在国内線で運航する737-700と-800の後継機として導入する。737 MAXを日本の航空会社が導入するのは初めてで、2021年度から2025年度にかけて受領を予定する。初年度となる2021年度は、4機受領する計画となっている。
片野坂社長は現在の状況を「取締役会で購入を決定し、ボーイングに通知した」とし、「ほとんど発注に近い状態」と説明した。当初は今春に契約予定だったものの、3月に2度目の墜落事故が起きたことにより、正式契約には至っていないという。
導入に向け「事故の原因究明と再発防止策が重要」とした片野坂社長は、2013年1月から運航停止となった787のバッテリートラブルを例に挙げ、「ボーイングが危機に陥ったときも、ANAとボーイング、日米の当局間で連携した」と当時を振り返った。
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Boeing
ボーイング・ジャパン
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