豪ジェットスターグループと台湾のタイガーエア台湾(TTW/IT)は12月4日、インターライン契約を締結したと発表した。両社の航空券を一括購入できるようになるほか、乗り継ぎや受託手荷物の扱いなどの利便性を向上させるもので、両社が持つアジア太平洋市場での路線網拡充を図る。
—記事の概要—
・預け入れ手荷物は最終目的地まで
・片岡社長「空を身近に」
預け入れ手荷物は最終目的地まで
両社のウェブサイトで航空券のほか、機内食や座席指定など付帯サービスを組み合わせて購入できるようになる。出発地で預けた手荷物は、インターラインにより最終目的地までチェックインできるようになり、乗り継ぎ地で預け直す必要がなくなる。
ジェットスターのウェブサイトでは「Jetstar Connect」と命名し、両社の路線を組み合わせた航空券を提供。従来の検索結果に追加して表示する。
システムは、LCC向けのフライト検索エンジンを提供するDohop(ドゥホップ、アイスランド)のものを導入する。Dohopは、英イージージェット(EZY/U2)や独ルフトハンザグループのユーロウイングス(EWG/EW)などへ、システムを提供している。
ジェットスターとタイガーエアの2社は、これまでフルサービス航空会社(FSC)とのインターライン契約はあったものの、それぞれLCCとの締結は初めて。LCC間でのインターライン契約は、バニラエアが加盟していた航空連合「バリューアライアンス(VALUE ALLIANCE)」などの例がある。
片岡社長「空を身近に」
都内で会見したジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の片岡優社長は、インターライン契約締結について「日本の空、世界の空を身近にできる」と述べ、航空需要の拡大や訪日客増加にもつながるとの認識を示した。今後のコードシェア(共同運航)や共同事業(JV)などの可能性については「現段階では考えていない」と述べるに留めた。また、ほかのLCCともインターラインの導入を検討しているという。
ジェットスターはタイガーエアのと協業により、72路線を新たに予約できるようになる。行き先は8都市追加となり、タイガーエアが拠点とする台北(桃園)での乗り継ぎ時間は90分となる。
タイガーエア台湾は、台北を拠点に22都市に29路線を運航。このうち最も多いのが日本路線で、ジェットスター・ジャパンが拠点とする成田と関西のほか、旭川や花巻、小松、岡山など14都市に19路線を運航している。
同社の張鴻鐘(チャン・ホンジョン)会長は、両社のウェブサイトでの航空券提供について「インターネットの力を感じられると思う。両社にとってパワフルなツールになる」と自信を示した。
Dohopのフィリップ・ディエトリン・アジア太平洋地域ディレクターは、イージージェットが2017年からの2年間で、ノルウェー・エアシャトル(NAX/DY)やヴァージン アトランティック航空(VIR/VS)、キャセイパシフィック航空(CPA/CX)など15社とパートナーシップを締結した事例を踏まえ、「ジェットスターとタイガーエアも、パートナーが増えていくと思う」と述べ、さらなる提携拡大に期待するとした。
ジェットスターはハワイアン航空とも
・ハワイアン航空とジェットスター、インターライン提携(18年1月20日)
他社のインターライン契約
・ANAとNCAが業務提携 18年度からコードシェア(18年2月27日)
・JAL、印ビスタラと提携 コードシェアなど18年度から(17年9月7日)
バニラが参加していたバリューアライアンス
・バニラエア、バリューアライアンスの連携拡大 3社と「通し発券」(18年1月5日)
・バニラエアらLCC 8社、航空連合設立 アジア太平洋路線を一括選択(16年5月16日)