空港 — 2019年12月2日 16:52 JST

成田空港、長距離の着陸料3年間無料 新路線、7000キロ以上対象

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 成田国際空港会社(NAA)は2020年1月1日から、長距離国際線の着陸料を3年間無料にする「国際線長距離ボーナス」を始める。路線誘致に向けた航空会社に対するインセンティブ制度のひとつで、一定の条件を満たした新路線が対象となる。

長距離新路線の着陸料を無料にする成田空港=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 対象となるのは成田としての新規都市への路線で、成田から7000キロ以上の地点を結ぶ定期旅客便。2022年3月31日までに開設した路線を対象に、従来は1年目のみ無料の着陸料を3年間無料にする。

 成田から7000キロの地点は、西はパキスタンのカラチ、南は豪ブリスベン、東はハワイ諸島付近がおおよその範囲となる。新路線は米大陸や中東以西、欧州などを見込む。対象となる都市は成田としての初就航に限定するため、例えば9月1日に全日本空輸(ANA/NH)が開設したパース線のように、7000キロを超えた都市でも他社がすでに乗り入れている場合は対象外となる。

 同ボーナスの初適用となるのは、現地時間2020年3月11日に就航するエルアル・イスラエル航空(ELY/LY)のテルアビブ線となる見込み。NAAの田村明比古社長によると、そのほかも調整を進めているという。

 田村社長は、2020年夏ダイヤでの羽田空港の昼間帯増枠により、新規路線の大部分が成田から移管することについて「大きな影響を受ける」との認識を示した。田村社長は長距離ボーナスの開始により「長距離ネットワークを一定程度維持する。再構築してバランスのいい路線網を構築する」と述べた。範囲を7000キロ以上に設定した理由については、ボーイング787型機などのワイドボディー(双通路)機を運航する航空会社の利用を見込むとした。

 NAAは、航空会社向けプロモーション「成田ハブ化促進インセンティブ」を導入し、新路線の誘致を進めている。これまで、既存路線の増強を図る「増量割引」のほか、朝時間帯の新路線拡充を支援する「朝発ボーナス」も導入している。

関連リンク
成田国際空港

成田空港のインセンティブ
成田空港、朝出発便の着陸料3年間無料 LCC新路線誘致促す(18年9月28日)
成田空港、航空会社にインセンティブ 旅客・貨物対象、非航空系収入の拡大狙う(17年3月24日)
「スカイとヴァージン戻ってきて」 成田空港、着陸料1年無料プロモ(15年2月27日)
成田空港、国際線着陸料に増量割引導入 50%割引(13年3月1日)

初適用となるテルアビブ線
エルアル、成田-テルアビブ20年3月11日就航へ 週3往復、イスラエルから初定期便(19年9月6日)

ANA・JALの羽田増枠路線
JAL、成田国際線を20年度3-5路線拡充 ZIPAIRも活用(19年11月20日)
JAL、羽田発着枠増枠でホノルル2便 20年3月国際線強化、全国からハワイへ(19年11月19日)
ANAの羽田国際線、12新路線 成田の米国5路線運休・減便へ 20年夏(19年11月19日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post
キーワード: