FAA(米国連邦航空局)はマレーシアの航空当局(CAAM)に対し、安全評価を「カテゴリー2」に格下げしたと現地時間11月11日に発表した。国連の専門機関ICAO(国際民間航空機関)の安全基準を満たしていないため。当局がカテゴリー2の評価を受けると、マレーシアの航空会社は自社の安全性に問題がなくても、米国への新路線開設などができなくなる。
マレーシアは2003年に、カテゴリー1の評価を取得。FAAは今年4月に再評価し、7月にCAAMと両者で結果を協議した。CAAMは11月11日に発表した声明で、規制当局の職務上で欠点があることを認め、「航空各社や空港などの評価ではない」と強調。今後1年以内に再評価するよう、FAAに求めている。
FAAは国際航空安全評価(IASA)を実施。国や地域ごとに、ICAOの安全基準を満たす「カテゴリー1」と、満たさない「カテゴリー2」に区分している。当該国の航空当局の安全監督能力や、技術者の資格基準など、5つの項目で審査する。
調査対象は86の国と地域で、このうち80の国と地域がカテゴリー1に指定されている。残り6つの国と地域がカテゴリー2で、マレーシアのほか、バングラデシュとコスタリカ、ガーナ、タイの5カ国と、オランダ領キュラソーの1地域を区分している。
マレーシア国籍の航空会社による米国乗り入れは1路線のみで、エアアジアX(XAX/D7)がクアラルンプール-ホノルル線を関西経由で運航している。マレーシア航空(MAS/MH)は2014年4月までクアラルンプール-ロサンゼルス線を運航していたが、現在は運休している。
関連リンク
Federal Aviation Administration
ICAO
CIVIL AVIATION AUTHORITY OF MALAYSIA
マレーシア航空会社の米国路線
・エアアジアX、関空-ホノルル就航 初のLCCハワイ直行便(17年6月29日)
・マレーシア航空、成田経由のクアラルンプール-ロサンゼルス線運休 5月から(14年1月28日)
タイ当局がカテゴリー2に
・FAA、タイ当局「カテゴリー2」に格下げ タイの航空会社、米国へ新路線不可(15年12月3日)
・なぜタイ航空局は安全性を問題視されたのか 旺盛な訪日需要に影響も(15年3月31日)
・【スクープ】ICAO、タイ航空局に「重大な安全上の懸念」指摘へ 日本への新規就航に影響も(15年3月13日)