ボーイングは現地時間11月11日、墜落事故が続発した737 MAXについて、10-12月期(第4四半期)中にFAA(米国連邦航空局)からの認証取得を目標とする声明を発表した。現在は訓練要項の最終検証を進め、2020年1月の商業運航の再開を目指す。
ボーイングは声明で、顧客への引き渡しについて「12月にも再開する可能性がある」としている。今後、FAAでソフトウェアなどの検証を進め、運航と引き渡しを再開する見込み。
FAAは現在までに、ソフトウェアの正常作動をフライトシミュレーターで確認済み。今後、FAAのパイロットが各種条件下で作業負荷を評価し、飛行試験で更新したソフトを認定する。試験終了後はボーイングがFAAに対し、最終的な結果を提出。最終認証を経て、運航・納入を再開する見通し。
737 MAXの事故はこれまでに2件発生している。2018年10月には、インドネシアのライオン・エア(LNI/JT)のジャカルタ発パンカルピナン行きJT610便(737 MAX 8、登録記号PK-LQP)が、今年3月には、エチオピア航空(ETH/ET)のアディスアベバ発ナイロビ行きET302便(737 MAX 8、ET-AVJ)が、それぞれ墜落。いずれも737 MAXで新たに採用した失速防止システム「MCAS: Maneuvering Characteristics Augmentation System(操縦特性向上システム)」が要因となったとみられ、現在は同システムの改修を進めている。
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